はじめに
こんにちは、倉澤ズズくんです。
前回、基板再発注のためにPCBの修正をしました。
今回は、基板と部品実装サービスを発注します。

部品実装サービスとは
部品実装サービスとは、文字通り基板上の部品のはんだ付けしてもらうサービスです。発注時のデータを揃える手間は増えますが、綺麗に仕上がります。はんだ不良が減り、デバッグ時の原因切り分けが容易になります。発注データは一度作れば良いため、複数枚の基板が欲しいときには時間的なコストも削減できます。
今回の発注先も以前と同様PCBGOGO
です。
発注形式にまとめる
PCBGOGOの部品実装サービス発注に必要なデータは以下の通りです。
- ガーバーデータ
- BOM (Bill of Materials)
- 実装方向指示書
- ポジションデータ
ガーバーデータ
これは基板のみの発注時のものと同様です。前回修正したPCBのデータをガーバーデータとしてまとめます。
ガーバーデータの作成方法はブログPart.13で扱っています。
BOM (Bill of Materials)
BOMとは部品表のことです。実装する部品の型番、部品の購入先リンク等を入力します。
PCBGOGOから.xlsx
形式のテンプレート(リンクをクリックするとファイルがダウンロードされます)が用意されていたのでこちらを使いました。
KiCadの回路図エディター
のタブにある[現在の回路図から部品表を作成] を押して生成されたcsvの部品リストを先程のテンプレートにコピーし、他の項目を若干整えました。
実装しない部品は説明欄にUnused
と記述しています。距離センサ用の砲弾型LEDは特殊な付け方であったり、コネクタ類は国内で入手したほうが安くなるので今回はSMD品のみの実装依頼をしました。DIP品は基板が届いたら手実装します。
実装方向指示
はんだ付け方向を示したデータを作成してBOMの.xlsx
シートの別タブに載せました。実装向きが分かるように各部品の1番 Pin
の位置を画像で示しています。
ポジションデータ
部品の座標・回転角度データです。。KiCadのPCBエディター
に入り、[ファイル]→[製造用出力]→[部品配置ファイル(.pos)]から生成できます。今回はcsvファイルで出力しました。
サイトから発注
基板製作サービスのページから画像の通りに入力して発注しました。 普段の基板発注に追加して部品点数や部品の足の数を入力するだけです。これで見積もりをしたら、後は購入画面でデータを入稿して支払いをして完了です。
進捗管理
GitHubので本プロジェクトの進捗管理をしています!

作業内容 | 見積り工数 | 実作業工数 | 超過工数 |
---|---|---|---|
発注作業 | 8.5時間 | 14.5時間 | 6時間 |
本ブログ執筆 | 4時間 | 2.5時間 | -1.5時間 |
発注作業では大幅に時間を超過してしまいました。Digi-Keyの部品に統一するために急遽一部回路図修正が入ったことや、部品の実装方向指示書の作成で苦戦しました。加えて、社内の発注を担当する部署への手順書の作成に4時間程費やしました。一人で完結しないものづくりには説明する資料が必要になります。今回は資料作成に予想以上の時間を要したため、学生の頃の個人でのマイクロマウス製作と会社での取り組みの違いを学ぶ良い機会になりました。
ブログ執筆は以前より短いスパンで簡潔にまとめることにしました。その結果、全体の構成を練る時間を減らして記事のフォーマットを準備することで効率が向上しました。
4.5時間超過した作業はUML作成で取り返そうと考えています。UML作成12.5時間とUMLレビュー10時間で確保していましたが、最初の時点からレビューを兼ねてレビュアーとペアプログラミングの要領で作業しつつ方針を固めて工数を減らして対応予定です。
まとめ
今回は基板発注と部品実装サービスについて扱いました。BOMデータと実装方向指示書を作るのに想像以上に時間がかかってしまいましたが、今後のソフトウェア実装の段階で大きな恩恵を受けられると信じています。
次回はUMLについて書きます。お楽しみに!