マウス研修(しおたに) マウス自作研修

Fusion360で設計するマイクロマウス②:マウス研修(しおたに)33

マウス研修(しおたに)

こんにちは、しおたにです。

前回はかなりタイトルに無理がありましたが、今回は大丈夫です。

設計の流れをおさらいします。

3DCADを扱うのは基本設計以降になります。これより前の概念設計の段階で基本的な構造や使用パーツを決めておくとすんなりとモデル作成ができます。今回もすでにこれらは決めてあります。

また、基本設計の段階で問題が生じた場合は一つ前の概念設計に戻って考えなおしたりします。

 

では本題に入りたいと思います。

はじめに

3DCADは基本的に作りたい立体の投影図となるスケッチを書き、押し出すことで立体化していきます。3Dのためスケッチを書く面を自由に配置することが出来るため、どのような立体でも作ることが出来ます。

自由度が高いゆえに使い方も様々ありますが、今回は私がマウスを設計する際はどうしたかを紹介したいと思います。

タイトルの通り、Fusion360を使っていきますが、基本的な使い方については各種書籍や弊社ブログ内で紹介している方がおられますのでそちらをご覧ください。

知識ゼロからFusion 360を始めるためにやったこと – ししかわのマウス研修 Part.27

yasueの自作マウス製作記【Part.07】-Fusion360を触ってみる

Fusion360を起動して最初にやること

Ctrl+S

一番最初にやることは名前を付けて保存することです。

3DCADはPCに複雑な計算をさせることが多く、途中でいきなり動作停止をしてしまうことが間々あります。

いい構造を閃いた時など保存せずにどんどんモデル化をしていくとあとで痛い目を見ることになります。

左上のや「Ctrl+S」などで保存するわけですが、ちょくちょく保存していきましょう。今後も度々言います。

また、Fusion360はバージョン管理機能があります。過去のバージョンの復元は容易ですので遠慮なく保存すると良いと思います。

デザイン履歴をキャプチャする

Fusion360ならではの機能として「デザイン履歴のキャプチャ」というものがあります。

自分の操作(特にモデル操作)を時系列順に保存してくれるもので、一度作ったものをやり直したりするときに重宝します。

左側にブラウザツリーと呼ばれるこのモデル要素が並んでいる部分がありますので一番上で右クリックすると一番下に出てきます。

デザイン履歴のキャプチャを有効にすると下の画像のように操作が記録されていきますので、あとで修正したいときは該当する操作の部分を右クリックしてやり直すことが出来ます。(アニメーションで作業の様子も見れるようですが活用法はわかりません…)

面を決めてスケッチをかく

最初にどこから書くか

準備は整ったのでスケッチをかいていきます。基本的にはロボットを正面、上面、側面の3方向からみた様子を最初に書きます。全体図を最初にイメージしておくと各部の配置や寸法の割り振りも設定しやすいように思います。

 

さて、まずは保存します(重要)

「スケッチを作成」を選択するとまずどの面にスケッチを書くかを聞かれます。

正面、上面、側面がありますが、この時考えるのはこのロボットの一番特徴が出る面を最初に書くということです。

今回でいえばキャンバー角をつけるため、パーツの多くは傾いています。

傾いた様子を書く正面図が一番特徴をとらえていますので正面図から書いていきます。

あらかじめ構造は考えてあるのでこれを見ながら線を引いたりしていきます。

下図はタイヤ周りの構造を考えたときの絵です(汚い)

あまり綺麗なスケッチではありませんが、モータとタイヤを傾けた様子とタイヤ周りの構造が寸法と拘束付きで書かれています。

このスケッチを参照してほかのスケッチやモデルを作っていくので、スケッチは完全定義(すべての線が黒くなっている)されているのが良いと思います。未定義の状態では線が動いてしまい、何かの拍子にほかの部分の形が変わってしまいます。

面を作成→スケッチ作成

続いて側面図を書いていきます。なぜかというと、このロボットは足回りの構造を最も優先して作りたいためです。ほかの部分が決まってから足回りを作ろうとすると思うようなスペースが無かったり、干渉してくる部分が出来てしまうかもしれないためです。

さて、まずは保存します。

今回はキャンバー角をつけているため、真横から見た図は非常に面倒になります。
この場合はキャンバー角に合わせて傾けた面を作り、そこに書いていきます。こうすることで、傾きを意識せずにスケッチを書くことが出来ます。

「構築」の「傾斜平面」で傾けた面が作れます。

面の位置は正面図のなかからモータの取り付け面にあたる部分を選びました。

親子関係をレイヤー分けで明確にする

さて、とりあえず保存しましょう。

この側面にはいくつか設計の根幹となる寸法と拘束があります。

それはその27で導き出した軸間距離と、既製品であるタイヤ(ゴム部)やねじ類です。

購入品の寸法や計算によって決めた値などモデリング以前の工程で決まっている寸法をまず指定します。
これらの寸法は後々の設計変更でも変わりにくく、また、設計の根幹にあたる箇所のため、値が変わったときに影響を受ける範囲がとても広いのです。このため、すべての寸法や拘束はこれらの情報を親としておくと、変更がとても楽になります。

このように親子関係を意識することが大事です。3DCADで寸法や拘束を付ける際は、

購入品・計算値 > パーツ固有の形状や寸法 > 各パーツの相対位置関連 > 外形や肉抜き

という関係でより上位の寸法や拘束に頼った形にしておくとよいと思います。

 

同一スケッチにこれらを混在させると後々どこを修正すればよいかが分かりにくくなるため、親子関係によってレイヤー分けし、別々に書いておくと管理が楽かもしれません。

絵を描くときによく出てきますね。それぞれを紙に書いて重ね合わせるイメージです。

今回は同じ平面に何度もスケッチを作成しレイヤーを使い分けた様子を紹介したいと思います。

他のスケッチやモデルから今のスケッチに投影する方法

親にあたるスケッチやモデルから線や点を持ってくる際は「投影」をします。

こうすることで、親の情報を子に反映させることが出来ます。親になにか変更を加えたときも子に反映できます。

今回もこれを多用し親から多くを投影しています。

レイヤー1

まず基準円直径や歯先円直径といったギアに関連する線を書いておきます。周辺に突起や部品を配置する場合、ギアと干渉しないかという点は重要です。最初の方に書いておきましょう。

軸間距離のほか、ギアの歯先円や各軸が水平に並んでいることなどを書いています(上が線だけ、下が寸法と拘束入りです)。終わったら保存しましょう。

 

レイヤー2

続いて軸やモータといった直接マウンタに干渉する部分を書いていきます。
ここだけは外せないという重要な要素を先に書いておくことで、後々の外形や肉抜き、ネジ穴といった要素はこれらと干渉を避けるように配置できます。

この際、レイヤー1の軸位置を投影しておけば、軸間距離が変わっても反映されます。

できたら保存しましょう。

 

レイヤー3

これまで書いてきた軸間距離や既製品の寸法をもとに外形や肉抜きなどを書いていきます。紫色の線はほかのスケッチから投影してきた線を表しています。書いたら保存しましょう。

 

 

全てのレイヤーを表示させた様子です。

主にマウンタとタイヤ周りを横からみた様子になります。保存しましょう。

側面図において、一番支配的な点はギア同士の軸間距離です。

今回の各要素の関係性は
ギアの軸間距離>各パーツの形状>他パーツとの合体箇所>外形や肉抜き
という順番を意識し作っています。

 

長くなってきたので今回はここまで。次回に続きます。

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