こんにちは、しおたにです。
今回からギア比を決めていきたいと思います。
今回は計算に必要なパラメータについてまとめました。
こちらを参考に進めています。
計算方法や導出過程は以下に詳細にまとめられていますのでこちらをご覧ください。
DCモータを使ったマイクロマウス入門②
DCモータを使ったマイクロマウス入門③
DCモータを使ったマイクロマウス入門④
使用する式
これらの記事では
必要なトルクからDuty比を求める式
Duty = ( R・τ/KT + KE・ω ) / VBAT
出したい加速度から必要なトルクを求める式
τ = ( r ・ m ・ a ) / ( 2 ・ n )
出したい速度からモータの回転速度を求める式
ω = 60・n・v / 2πr
が導出されています。
各パラメータ
このときの各パラメータは以下の通りです。
R[Ω]:巻線抵抗
τ[N・m]:出力トルク
KT[Nm/A]:トルク定数
KE[V/rpm]:逆起電圧定数
ω[rpm]:モータ回転数
VBAT[V]:電源電圧
r[m]:タイヤの半径
m[kg]:車体の質量
a[m/s2]:加速度
n:減速比1:n
v[m/s]:速度
Duty比はPWM制御などでモータに加える実効電圧を決める際に用います。
記事にもありますが、Duty比が1以下になれば要求する速度、加速度が出せることになります。ただし、制御ができるよう若干余裕を設ける必要があります。
また、効率やタイヤの慣性モーメントなどは考慮していないため、0.8以下くらいに抑える必要があります。
定数を決める
モータ
さて、これらの各定数を決めていきます。
巻線抵抗、トルク定数、逆起電圧定数はモータのデータシートから探します。
使用するモータ(1717T003SR)のデータシートはこちらです。
http://www.shinkoh-faulhaber.jp/product/dcm/1717-sr/
電源電圧
電源電圧は使用を想定している2セルのLiPoバッテリーの定格電圧です。
タイヤ半径
タイヤの半径はクラシックマウスでよく使用されているミニッツレーサー向けタイヤのものです。
速度、加速度
出したい速度、加速度については、
マイクロマウス2019記録集
にある上位陣の設定値をもとに決めます。
昨年の上位陣は最高速度5[m/s]前後、加減速度18~25[m/s2]程度でした。
若干余裕を持たせたかったので、速度は6[m/s]、加速度は25[m/s2]とします。
まとめ
このようになりました。
パラメータ |
設定値 |
代入値 |
|
巻線抵抗 |
R[Ω] |
1.07[Ω] |
1.07 |
トルク定数(データシートではKM) |
KT[Nm/A] |
1.98[mNm/A] |
0.00198 |
逆起電圧定数 |
KE[V/rpm] |
0.207[mV/rpm] |
0.000207 |
電源電圧 |
VBAT[V] |
7.4[V] |
7.4 |
タイヤの半径 |
r[m] |
12.5[mm] |
0.0125 |
車体の質量 |
m[kg] |
100[g] |
0.1 |
速度 |
v[m/s] |
6[m/s] |
6 |
加速度 |
a[m/s2] |
25[m/s2] |
25 |
残るパラメータは減速比1:nだけとなります。
ここからは設計上の制約も加味しながら決めていきたいと思います。
今回はここまで。