基板をはんだ付け
前回発注して届いた基板に対してはんだ付けをします。
スルーホールにはんだ付けをする部品(DIP)では、はんだごてを使います。今回はそれに加え、基板の面に実装する部品(SMD)をはんだ付けするためにリフローという手法を用います。
リフロー
ペースト状のはんだを基板のランドに塗布し、炉で熱する手法です。
本来は専用のリフロー炉を使用しますが、そのような機器は一般家庭にはありません。DIY的にリフローすることを考え、今回は手軽にホットプレートを使ってはんだ付けします。実際にホットプレートではんだ付けするマウサーは多いです。
基板を固定する
ペーストはんだを塗布する際は基板がずれないように固定する必要があります。そこで、適当な板や基板を両面テープで台座に固定して治具にします。上からステンシル(メタルマスク)をかぶせてペーストはんだを塗布するため、治具にははんだ付け対象の基板と同じ厚みの板を使用しましょう。今回は届いた基板のうち2枚を「捨て基板」として固定用に使います。
ステンシル(メタルマスク)をかぶせる際は、ステンシルの穴と基板のランドの位置を慎重に合わせます。固定には、ネオジウム磁石やマスキングテープを用いました。
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はんだペーストを塗る
ペーストはんだを基板に適量乗せ、適当な板で押し込みながら擦るようにスライドして塗ります。
塗り終わったら、ステンシルを真上に丁寧に外します。
部品を乗せる
部品点数が多いほど大変になる作業です。ピンセットでランドに部品を頑張ってのせます。
部品を載せ終わったら、部品がずれないようにホットプレートの上に移動します。
リフローではんだ付け
本来のリフロー
本来のリフローの手順は、おおまかに以下の通りです。リフロー炉(窯のようなもの)で基板に対して加熱します。
- リフロー炉を加熱して一定時間待つ(プリヒート)
- リフロー炉をピーク値まで加熱して一定時間待つ。
- 温度を下げる
リフロー炉の温度をどのように変化させるかはペーストはんだによって異なります。例えば、今回使用したTS391SNL250のデータシートには以下のような温度プロファイルが記載されています。本来であれば温度プロファイルの曲線に合わせた温度変化をさせます。
ホットプレートでのリフロー
温度プロファイルに言及したものの、今回はホットプレートではんだ付けを行います。プレートである上に正確な温度もわからないため、はんだの乗り具合を目視で確認しながら行います。
結果として、今回は以下のステップではんだ付けをしました。
- 基板をホットプレートに置く
- 温度の目盛りを180℃(今回のホットプレートでは保温)まで加熱させる
- 180℃まで到達したらホットプレートの蓋をして最大の230℃に目盛りを合わせる
- 1~2分程度(目視確認で適切な具合を確認)基板を加熱する(ホットプレートの仕様上、どのタイミングで230℃まで到達してるかは不明)
- ホットプレートの電源を落として冷えるのを待つ
手はんだ
ブリッジを手直し
隣のピンのはんだがくっついてショートしていまうことがあります。はんだごてをあてて除去しましょう。
はんだ付け後に基板全体をよく確認しましょう。デジタル顕微鏡があると楽ですが。スマートフォンのカメラのズームでもだいぶ見えます。
はんだごては部品の端子のみに当て、レジストに当たらないように注意しましょう。レジストに当たると剥がれてしまいます(一敗)。
DIP品の取り付け
こちらは、一般的に指すはんだ付けです。スルーホールを通して部品をはんだ付けします。LEDとフォトトランジスタの足を曲げて取り付けます。
電源ケーブルの取り付け
電源ケーブルのはんだ付けは基板設計段階でもっと吟味した方が良かったかもしれません。何回もバッテリーを取り外す関係上、とても負荷がかかるため強度が必要でした。今回ははんだ付けをした後にエポキシ樹脂で固めて応急処置的に強度を確保しました。
完成
全ての部品を実装して車体となる基板の完成です!
火入れ
最後にLチカ(LEDをON/OFFを繰り返してチカチカさせる)プログラムを書き込んではんだ付けできていることを確認したら完了です。
まとめ
はんだ付けして動作確認まで出来ました!吸引機構は残っていますが、ハードウェア製作は一旦これで終了です。実際に組み立ててみました。
次回以降はソフトウェアについて触れていきます。