d-satoの自作マウス研修

回路設計 – d-satoの自作マウス研修 Part1

d-satoの自作マウス研修

d-satoです。Pi:Co Classic3を使った研修を修了したので、自作マウス研修を始めました。

概要

今年度からは自作マウス研修の最初に、Pi:Co Classic3の部品やプログラムを流用したDCモータのマイクロマウス、通称「板Pi:Co」を先に作ってからオリジナルのマイクロマウスを制作することになりました。DCモータ搭載のマイクロマウスのことをDCマウスと呼ぶそうです。ここでは先人にならい、DCマウスと呼ぶことにしたいと思います。

板Pi:Coはリファレンスとなる機体とその詳細なデータが社内資料としてあり、こちらを真似しながらDCマウスを作成して迷路の完走をしていきます。
ちなみにリファレンス機体の板Pi:Coは第42回全日本マイクロマウス大会にて完走した記録があります。

MM2021 第42回全日本マイクロマウス大会 テクニカルデータ

アールティ社内ではこの板Pi:Coの情報がハードウェア、ソフトウェアともにフルで公開されていますのでその資料を参考にしつつ、今回は全体の設計の確認と、回路設計を進めていきます。

研修なので新しいことに積極的にチャレンジしていくべく、今回は回路設計にKiCad 6を使っていきます。KiCad 6は2021年12月にリリースされました。

全体の設計の確認

今回設計する板Pi:Coの構成は以下の通りです。基本的にリファレンスの板Pi:Coそのままです。

  • 形状:2輪
  • CPU:RX631(Pi:Co Classic3の流用)
  • モータ:FAULHABER 1717T006SR
  • モータドライバ:DRV8835
  • ジャイロセンサ:MPU9250
  • 壁検出(赤外線LED/フォトトランジスタ):OS5RKA5111A/ST-1KL3A
  • バッテリ:Li-Po 2セル

回路図の作成

今回作成した回路図はこちらです。
社内資料では昨今の事情に対応するため、モータドライバやIMUを代替品に切替可能な形の回路図になっていますが、今回はすでに部品を決めているので使う部品のみ実装できる形で書いてみました。

KiCad 6を使ってみて

KiCad 6はちょっと慣れが必要でしたが、全体的には使いやすくなっていると感じました。
使いやすくなったと感じたポイント、慣れが必要だと思われるポイント、注意が必要そうなポイントをいくつか紹介します。

使いやすくなったところは、例えば部品を選択したタイミングで青くハイライトされるようになったり、日本語フォントが文字化けしていたところが直っていたりなどです。

選択した部品が青くハイライトされています
従来は「電源入力」の部分が文字化けしていました

慣れが必要だと思われる項目については
・一部のショートカットキーが違う
・一部のアイコンが違う
などが挙げられます。

ショートカットキーで迷ったことの例としてはシンボルの複製です。従来はCキーだったのがCtrl+Dになりました。PCBエディタの操作と同じになったようです。

アイコンについてはERCがてんとう虫からチェックリストに変わったなどが挙げられます。カーソルを当てれば説明が出てくるので、確認しつつ作業ができます。

注意点としては
・KiCad 6でKiCad 5のデータを使うには後方互換性を伴わない変換が必要
が挙げられると思います。

社内には共通の部品ライブラリがありますが、KiCad 5で統一されています。今回は共通のライブラリのデータを使用せず、新規で部品を作成したので影響を受けませんでしたが、KiCad 6に移行する際は共通ライブラリをアップグレードする必要がありそうです。

幸い、KiCad 5とKiCad 6は同時にインストールして共存できるようです。KiCad 5で作成したプロジェクトのデータは複製してバックアップを残しておいた状態で、必要なプロジェクトやライブラリだけKiCad 6用に変換するというのが安心して使えそうです。

次回はモータマウントの設計をしていきます。

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