しゅうの自作マウス研修

回路設計part6 電源周り – しゅうの自作マウス研修 part21

しゅうの自作マウス研修

こんにちは、しゅうです。折角なので、ゾロ目投稿です!
前回はモータドライバ周りの回路を書きました。
今回は回路系の心臓部ともいえる部分、電源周りの設計に取り掛かります。

使用する部品

事前に、今回の記事で登場する部品をリストアップしておきます。

部品名 型番など 参考リンクなど
MOSFET SSM6J808R 商品ページ(秋月)データシート
DC/DCコンバータ TPS561201 商品ページデータシート
三端子レギュレータ LM3940 商品ページデータシート

バッテリーの選定

そもそも、今回は電源として何を使うのか?
電源にはバッテリーやACアダプタなどいろいろな選択肢があります。今回はマウスを自立移動させるので、バッテリーを使います。
そのバッテリー自体にもいろいろと種類があります。乾電池、LiPo、鉛蓄電池、などなど。
また、そのバッテリーがどれだけの電圧・電流を持っているかも判断材料の1つになります。

本来であれば、消費電流からマウスをどの位連続稼働させられるか、を考えるのが重要です。しかし、今回は初めてということでとりあえずLiPoバッテリーの2セル、7.4Vのものを採用しようと考えています。Pi:Coの時は、3セル11.1Vのものを使っていました。
選定基準としては以下のようになります。

  • マイクロマウスで広く使われている
  • 今回のマウスに必要な電源が5Vと3.3V
    • モータとエンコーダに5V、LEDなどに3.3V使います
  • Pi:Coで使用していたバッテリーに近い
  • 制作するマシンサイズに収まる容量

次に、電源周りの回路について書いていきます。

電源周りの回路

今回は以下のブロック図のような電源回路を設計予定です。これに沿って、紹介していきます。

また、本ブログは当初の予定より長くなっているので、抵抗やコンデンサーの値などの計算は次回分に持ち越します。

電源スイッチ回路

バッテリーの抜き差しによる電源のOn/Offではかなり手間がかかってしまいます。それだけでなく、コネクタの消耗や破損につながる恐れがあります。これを解決するために、電源用のスイッチを搭載します。
しかし、今回のマウスには、Pi:Coで使用していたようなスイッチを載せるには少々大きい気がしています。かと言って、小さいスイッチを使うと、扱える電流量に限界があります。今回のバッテリーは、7.4Vの入力があることはわかりますが、電流量はまだ選定中です。そのため、ある程度対応できるためにスイッチまわりの回路設計をします。
そこで、バッテリーを直接On/Offするのではなく、MOSFETを介してスイッチングを行うこととします。
それにより、スイッチはMOSFETの制御をし、MOSFETは電力を通すか通さないかの制御を行うことができます。すなわち、スイッチには大きな電流が流れにくくなります。
今回は、アールティのマイクロマウス用キット、HM-StarterKitの方でも使用実績のあるIRLML6402というMOSFETを採用しようと考えました。
しかし、プログラムの方で意図せず最大電流を流してしまう場合があります。そのような事態にも対応できるよう、先輩曰く、SSM6J808Rという部品の方が安全に運用できるそうです。今回はこちらを採用することにします。
以下が今回の回路図になります。SSM6J808Rシンボルがなかったので、追加で書いています。

降圧回路

今回の回路では、5V及び3.3Vを使う予定です。電源が7.4Vですので、電源の降圧を行う必要があります。その降圧回路に、今回はDC/DCコンバータと三端子レギュレータを使います。
三端子レギュレータは、入力された電圧の一部を熱として放出することで、出力する電圧を下げることができます。
DC/DCコンバータ周りの回路は複雑になりやすいため、ノイズの発生源になる可能性があります。しかし、とても効率がよく、高電流を流すことが可能です。
今回は研修であるため、両方の部品を採用します。
以上より、7.4V→5Vの降圧はDC/DCコンバータを、5V→3.3Vの降圧はレギュレータを使います。7.4Vから3.3Vを作らないのは、5Vの方が3.3Vまでに要する電圧量が少ないからです。

DC/DCコンバータ

使用するDC/DCコンバータを選んで行きますが、様々な用途に合わせてとにかく沢山の種類があります。製造会社も多種多様です。
その中から1つを選び出すのは困難なので、今回は複数の要素を決め打ちしていきます。まずはTexas Instrument社製の製品に絞ります。他の部品がTexas Instrument社製であることや、個人的な好みが理由です。
そんなところで、Texas InstrumentsのDC/DCコンバータの製品一覧ページに行きます。下記画像に示している、降圧製品を全て検索、をクリックしましょう。

飛んだ先のページにて、製品の一覧が表示されますが、ページ左側に条件を絞り込む要素が並んでいます。入力/出力電圧の最大/最小値や最大出力電流値などを細かく設定できます。今回は、7.4Vの入力、5Vの出力、出力数は1つ、ということから条件を絞っていきます。また、出力電流は最大で1A出せるものであれば十分であると考えています(これはフィーリングで決めました)。これらを以下の表にまとめます。

要素
Vin (Min) (V) 0≦Vin≦5
Vin (Max) (V) 7.4≦Vin≦17
Vout (Min) (V) 0≦Vout≦5
Vout (Max) (V) 7≦Vout≦10
Iout (Max) (A) 0.5≦Iout≦1
Regulated outputs (#) 1
Status ACTIVE

すると、1000個以上あった一覧から、6個程度にまで絞れました!
その中でも、最大出力電流が1Aのもの、最大許容入力電圧が余裕を持って10V以上のものを選ぶことにしました。TPS561208TPS561201のいずれかに絞れました!概要を見ていると、

TPS561201 はパルス・スキップ・モードで動作し、軽負荷での動作時に高い効率を維持します

という文章があったので、最終的にTPS561201を採用しようと思います。
回路図は、データシートを参考にして、次のようになりました。出力電圧や抵抗値などの計算については次のブログでお話ししていきます。
また、以下の回路図では、TPS562200を使っていますが、TPS561201とピン配置やフットプリントの大きさは同じなので、名前だけ後ほど変えます。

三端子レギュレータ

三端子レギュレータは、その名前の通り、3本の端子(入力、出力、GND)からなっていて、簡単に定電圧回路を作ることができる部品です。発振防止用に、入力と出力側にそれぞれコンデンサーを取り付けることで、安定して電圧供給を行えます。一般的には以下の画像のような形をしていますが、今回は表面実装用の小さめのサイズを採用します。

そこで、今回はTexas Instrument社製のLM3940を採用します。今回の入力電圧5Vと、欲しい出力電圧3.3Vに対応していて、表面実装が可能なものとなっています。データシートを参考にしながら、回路設計をしたものが以下の画像になります。ちなみに、LM3940がコンポーネントライブラリになかったので、とりあえず作りました。

まとめ

以上で電源周りは大方設計できました!コネクタや実際に使うバッテリーは、改めて選定していこうと考えております。
次回は、今回の回路の抵抗値などの細かい計算を行なっていきます。

参考

今回参考にしたブログはこちらです。
shotaさんのブログ
ししかわさんのブログ

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