鍬形です。社内研修でマイクロマウスやってます。前回は光センサの調整を行って無事迷路完走することができました。今回は4日間にわたる集中研修の最終日になります。最後は走行タイムを縮めるための一歩としてスラローム走行を実装しました。
本連載一覧はマイクロマウス研修(鍬形)をご覧ください。
スラローム走行とは
スラローム走行とは前進または後進と同時に旋回を行う走行方法です。その場旋回(超信地旋回)と比較してロボットの軌道が弧を描くことが特徴です。スラローム走行について僕が調べた限りでは、マイクロマウス競技の参加者の間で用いられる業界用語のようなもので一般的な用語ではなさそうです。
ちなみに戦車や自動車では緩旋回という言葉が用いられているようでした。ロボットの分野では旋回方法というよりは軌道の一種にすぎないのかもしれません。こうした用語も調べてみると奥が深いので興味深いです。
超信地旋回は一時停止する必要があったため、曲がり角が多いほど旋回前後の加減速する時間が増えていました。スラローム走行ではある程度速度を保ったまま旋回することができるので大幅なタイム短縮を可能とします。
超信地旋回を行う走行とスラローム走行の比較動画や、車輪の回転速度計算はshotaさんの記事でわかりやすくまとめられています。ぜひご覧ください。僕も久しぶりに円周や角速度をせっせと計算して求めました。計算通りロボットが動くと楽しいです。非常に教育的ですね。
旋回動作時の位置ずれ
今回の実装では旋回時のセンサ値によるフィードバックを行っていません。そこでこちらの動画のように旋回が連続すると位置ずれが蓄積して壁に衝突する場合があります。今回はパラメータを調節したりマイクロマウスの神に祈ったりすることで、移動距離や旋回角度を理想にできるだけ近づけて解決しました。
今回の研修では実装できなかったのですが、旋回直前に壁との距離を見て位置調整を行う手法をしおたにさんが実装しています。こちらもぜひご覧ください。
スラローム走行で完走🙌
スラローム走行の実装とパラメータの微調整を重ねて無事迷路完走することができました。
若干迷路の構成が変わっていて正確な比較にはならないのですが、初完走時のタイムが1分13秒85、今回が39秒81なので34秒04のタイム短縮をすることができました。
一時停止を挟まずスラスラと旋回している様子は見ていて気持ちがいいです。動画の走行は探索走行といってゆっくりとゴールを探りながら走っています。最短経路を素早く走るモードもあるのですがもう満足しちゃったのでそちらにはスラローム走行を実装しませんでした。今後の研修で頑張ります。
研修を終えて
例年1年ほどかけて行っているPi:Co Classic3によるマイクロマウス研修を4日間で取り組みました。記事では割愛しましたが回路やプログラムなどロボット開発に関わる座学も学ぶことができたのでかなり盛り沢山な4日間でした。
次の研修はマイクロマウスの自作に取り組みます。持ちネタのような技術も特にないので何をコンセプトに作ったものかとこのブログを書きながら考えてます。それから気が早いですが大会に出てお友達が増えたら楽しそう! とかわくわくしてます。
今後も近況をブログに書くので引き続き暖かく見守ってください。