回路設計に入ります。
まずは回路のブロック図を書いて、どのように回路を構成するかを決めていきます。
回路のブロック図
大まかには、以下に分類します。
- パソコンとマイコンとの接続用通信基板(Communication基板)
- クラシックマウス本体(鉄鼠本体)
コンセプト
最初に提示したコンセプトで、「開発・運用しやすくする」というところをCommunication基板が担います。この基板は、ピンソケット&ピンヘッダで本体と接続できるようにしておき、用途により取り外しや交換ができるようにしておきます。もしかしたらBluetoothやWi-Fiなどの無線デバッグができる基板にするかもしれませんが、それは完走して研修完了した後に余裕があれば。
充電
ここで注目すべきは、バッテリの充電回路周りだろうと思います。
大会では、Li-Po 1セルの充電回路を自作している人はよく見かけますが、2セル以上だと市販の充電器を使う人がほとんどだと思います。
USBバスパワーで5V0.5A(2.5W)給電を行い、昇圧回路で5Vから10Vになるよう充電に十分必要な電圧に上昇させます。定電圧定電流(Constant Voltage, Constant Current)回路で設定した一定の電流になるよう降圧させて安全にLi-Poバッテリを充電、セルバランス回路でセルごとの電圧バラツキを修正しつつ過電圧充電が起こった場合に備えて監視・保護します。
ただし、充電中によるシステム同時使用は、ダイオードやパワーパスコントローラなどでバッテリ供給側からUSB給電側に電力を切り替える回路を入れたりするのですが、USB2.0の電力量や基板サイズの制約から省略しています。ここはCVCC用コントロールICの種類によって、保護機能が働いて想定したように動いてくれなかったりします。
今回は、USB接続による充電&使用中は手元で常に監視する運用を前提とします。
本体構成
鉄鼠本体の構成はクラシックマウスではよくあるスタンダードなDCモータ系の回路なので、詳しい説明は他の方のブログを参照してください。分類すると以下のようになります。
- 電源部(スイッチ回路、レギュレータ回路)
- ユーザインタフェース部(インジケータ回路、操作用回路、スピーカアンプ回路)
- 演算部(マイコン回路)
- センサ部(壁検出発光回路&壁検出センサ回路、姿勢推定センサ回路、電圧検出回路、エンコーダ)
- 駆動部(モータドライバ、モータ)
- 通信部(通信回路)
ユーザインターフェース部なのですが、操作用回路(ボタン)に関しては、壁検出センサの前に手をかざす、エンコーダにつながってるタイヤをつまみのように回す、姿勢推定センサを傾ける、などの動作でプログラムのモード選択や決定、パラメータ変更など、ボタンの代わりに使ったりする人もいるので、省略していることがあります。
変わった競技者だと、操作するために競技中に踊っていたり、マイクを搭載して楽器を演奏していたりする人も見かけました。楽しそうです。
スタンダードな機体と一部仕様が違うところとして、スピーカアンプ回路にマイコンのDAコンバータ機能を入力として使っているところでしょうか?
次回は、回路図作成となります。