こんにちは!はしもとです。
かなり久しぶりの投稿になってしまいました。
前回の2022年8月の投稿では、電源周りの回路設計について書いていました。
それからは、ブログの更新は止まっていましたが、自作マウス開発は引き続き行っていました。
そして、先日浅草で行われた第43回全日本マイクロマウス大会に参加したので、まずはその大会報告を行います。次に、マウス研修のここ半年間の振り返りを行い、どうすればもう少しスムーズに開発が進められたか分析後、今後について話していきたいと思います。
2022年度全日本マイクロマウス大会参加報告
結果から言うと、5回走行中、5回とも最初の区画を曲がらずにリタイアでした。
曲がらずというのは、そもそもマウスの機体が完成したのが大会2週間前くらいだったので、
壁センサを使って壁があれば曲がるという動作はまだできていなかったのです。
ただ、昨年10月の時点で、大会までに迷路完走を実装するという目標があまり現実的ではないことがわかっていたので、まずはスタートを切るという目標に変更して頑張ってきました。
なので、個人的には最低限の目標をクリアすることができて良かったです。
では、次にマウス研修の振り返りを行っていきます。
マウス研修の振り返り
振り返りの目的
- 問題点の特定
目標工数と実際の工数の差異から、この研修中に生じた問題点を特定します。
遅れが発生した原因が何かを特定することで対策を考えることができます。
今後同じミスを犯さないように振り返りは非常に重要です。 - プロジェクトマネジメントの改善
全体を通して、自分のプロジェクトマネジメント能力を知り、かつ改善する機会が得られます。
スケジュールの立て方や進捗管理について見直すことで、他のプロジェクトでもこの知見を活かすことができます。
振り返りの概要
今回は上記の目的を達成するために、あらかじめ計画したスケジュールと実際にかかった工数を比較します。実際にかかった工数は、自分が残した作業メモ、社内チャットでのやりとりをもとにだいたいこれくらいだろうというのを書きました。作業メモは、普段GitHubのissueにその日やったことをメモしているのでそこからその作業にどれくらいかかったかなんとなくわかります。
例)センサ周りの回路は、7/12開始、7/21終了
目標工数と実際の工数を比較して振り返ってみる
予定していたスケジュール
まず、予定していたスケジュールを紹介します。
上のスケジュールは昨年6月末の段階での今後のマウス研修の進め方をスケジュールに書いたものです。これは、マウス上級者の方が初心者の人向けに作ったスケジュールを参考にして作っています。マウスを自作したことがない自分が、各作業でどれくらい工数がかかってしまうかを見積もるのは難しいので、とても参考になりました。
またこのスケジュールは、平日午前中の2.5hをマウス研修で使った場合のものです。
スケジュールを見てみると、ハードウェア、回路、ソフトでそれぞれどれくらい時間がかかるかわかります。では、実際はどうなったでしょうか!?
- ハードウェア(1ヶ月)
- 回路設計(2ヶ月)
- ソフトウェア(4ヶ月)
実際にかかった工数
ハードウェア(目標:1ヶ月 → 実際:1ヶ月)
自分の作業メモを見てみると6/7に足回りの設計を開始し、部品発注は6/21に行っています。その後、届いた部品をもとに組み立てて車輪が回ることを確認していました。この作業トータルではだいたい1ヶ月くらいだったので、目標工数と実際の工数の差分はあまりなかったです。
回路設計(目標:2ヶ月 → 実際:4ヶ月半)
はい、目標よりも倍以上の工数がかかってしまいました。
オレンジに示したところが目標工数と大きくずれている箇所です。電源回路の部分と、部品配置・配線の箇所が大きくずれています。こんなにも目標工数と実際の工数で差が出てしまった原因は次の章で分析します。
ソフトウェア(目標:2ヶ月 → 実際:?)
ソフトウェアについては、まだ完了していないので?にしました。
なので振り返りとして、現在実装したところまでを確認してみます。
上の表では、赤の部分が当初予定していたスケジュールで、オレンジが実際に作業を行った期間です。こうみると、目標に対して大きな差は出ていないので、この調子で各項目を実装していきたいですね。
なぜ遅れたか?
回路設計に時間がかかった原因を詳しく分析していきます。
まず、電源回路の設計について。
こちらのズレは電源回路の設計自体にかなり時間がかかったのではなく、そもそもスケジュールに入っていない作業があり、このオレンジ期間でその作業を行っていました。
それは、回路全体のレビューとレビュー修正です。このスケジュールには、もともとレビューの工数が含まれていなかったので、目標工数と実際の工数にずれが生じていました。
次に、部品配置・配線について。
この作業が目標工数と最もズレが大きかったです。しっかり振り返っていきましょう。
原因① 何もわからなさすぎた
回路設計初心者だったので、部品配置、配線も最初は何もわからなかったです。
先輩方のブログや直接先輩から話を聞いてい、部品はクロス線がなるべくなくなるように置くべきや、電流が多く流れる配線は太く、かつなるべく最初に配線を終わらせておく、など色々とノウハウは頭に入っていました。ただ、実際に作業をしてみると正解がわからずこれでほんとにいいのかな〜〜という不安を抱えながらとりあえず作業を終わらせて見てもらおうと思ってどんどん作業を進めてしまいました。今思い返せば、下記のような疑問を抱えながら作業を進めていたと思います。
- 部品はこの位置でよいのかわからない
なるべくクロスがなくなるよう部品置いてみた。多分これでいいよね。
とりあえず配線してみようか。 - 配線の太さはこれでよいのかわからない
電源周りでは流れる電流は大きいから太くしよう。LEDもこれくらい電流流れるし、この太さにしようか。
あれ、その他の細かい部品はどれくらいの配線太さがよいのかな〜〜、だいたいこれくらいかな〜、 - 配線こんなに汚くなってもよいのかわからない
よしよし、だいぶ配線できてきた。あれ、でもなんかすごく配線汚い。
あと、このマイコンのピンを配線しようと思ったら、部品配置的にもうできないじゃん。部品移動させないと、、。あ、また最初から配線だ、あああ。
この時点で何がいけなかった分析します。
- なにもわからない状態で、わからないなりに作業を進めすぎた
- もう少し早い段階で「何もわからないです!」と宣言をすべき
- なぜ、宣言できなかったのか。「何から質問していいのかがわからなかった」「わからない宣言が恥ずかしくてできなかった」などが考えられそうです。
- 部品配置、配線を一気に進めてしまった
- 部品配置の時点で一度レビューをお願いすべき
原因② 部品配置を疎かにしたせいで、手戻りが大きかった
- 部品配置、配線を一通り終えた時点で、部品配置の重要性に気づきました。気づいたときには、もう時遅しでした。部品配置がイケていないせいで、配線にかなり苦労し、1ヶ月くらいかかっていました。そして結局は、配線が汚くなりすぎたので、すべて消して、一から部品配置して配線し直す作業をしました。
原因③ 締切の概念が薄れていた
- このあたりで当初のスケジュールからどんどんずれてしまいました。そのズレを観測してしまうと気持ちが萎えてしまうので、スケジュールをあまり見たくなくなってしまいました。
- こうすると締切がいつかをあまり意識しなくなってしまうので、だらだらと同じ作業を続けてしまいました。締切が明確にあれば、この日までに作業を終わらせるためには今何をすべきかを考えられ、誰かに早めに相談するという判断もできたかもしれないです。
回路設計の振り返りを経て、今後の対応を考えてみます。
- スケジュールには予めレビューの工数を含める
- わからない宣言を早くする
- マウス上級者の方と一緒に作業を進めるのもいいかもしれない。何かわからない状態では何を質問していいかもわからないので、とりあえず一緒に作業してくださいと言ってみる
- レビューをこまめに挟む
- 配線は部品配置ですべて決まるので、部品配置を疎かにしない
- 立てたスケジュールは定期的にチェックし、実際の作業とズレが生じた時点で修正する
- 締切の意識を失わないことが重要
まとめ
振り返りの目的は以下のとおりでした。
- 問題点の特定
- プロジェクトマネジメントの改善
今回の振り返りでは、問題点の特定は達成できました。
また、プロジェクトマネジメントの改善についても自分の良くないところを改めて振り返ることができました。例えば、作ったスケジュールにレビューの工数を含めていないや、定期的にスケジュールをチェックして修正しないなどでした。
こうやってまとめてみると、自分が何かプロジェクトを遂行する上でまだまだ未熟な点があることを確認でき、研修だけでなく、他の業務でもこれらの知見は大いに活かせそうなので、時間をかけて振り返って良かったです。
今はようやく機体が完成したところで、迷路を完走するためにはまだまだやることがいっぱいです。
これらの振り返ったことを念頭に置いて、今後も引き続きマウス研修頑張っていきます。
まずは、まだブログに書けていないネタがたくさんあるので、それらをどんどん書いていきます!
それではまた!