マイクロマウス研修(槇原)

ギアとモータマウントの設計その1 – マイクロマウス研修(槇原)Part4

マイクロマウス研修(槇原)

はじめに

こんにちは、槇原です。前回は板Pi:Coのための回路図を書きました。
次は基板形状などを決めていきたいので、先にモータマウントの設計をしていきます。今回はギアの設計部分です。

決まっているもの

本来であれば使用するモータなどの検討をする必要がありますが、今回の研修では使うモータやタイヤなどが手元にあるのでこれをもとにギアの設計をしていきます。

利用するモータはFaulharberの1717T006SR-6Vを使い、タイヤにはKYOSHOのMZW2-20を使います。ホイールはギアと一体の3Dプリントパーツを利用することを考えているので、ギア部分に関しては自由に作れますが、寸法などを自分で決める必要があります。

ギア比の計算

すでに決まっているパラメータは以下の通りです。

パラメータ 参考
巻線抵抗R [Ω] 4.3 Ω データシート
トルク定数K_tau [Nm/A] 3.96 mNm/A データシート
逆起電力定数K_E [V/min-1] 0.414 mV/min-1 データシート
電源電圧V_bat [V] 7.4 V 2セルLiPo
タイヤ半径r [m] 12.25 mm タイヤ径参考値
機体質量m [g] 128 g 板Pi:Coテクニカルデータより
速度v [m/s] 2 m/s 板Pi:Coテクニカルデータより
加速度a [m/s/s] 5 m/s/s 板Pi:Coテクニカルデータより

こちらの記事より機体の各パラメータは次のような関係があります。

このとき目標の速度、加速度を出した際に出力電圧が電源電圧を超えないようになっていれば問題ありません。(Duty<1)

ここで未知のパラメータはギア比nのみになっています。ギア比はほかのマウスを見てみると1:3くらいになっていることが多いようです。ひとまずn=3として考えてみます。

a=5, v=2としたとき、Duty=0.45となりかなり余裕がありそうです。

また速度を上げて5 m/sとするとDuty=0.85となります。今回はこのギア比で問題ないということでn=3として進めます。

歯数の設計

歯車のパラメータとしてはモジュールm [mm]、基準円直径d [mm]、歯数zがあり、それぞれ

d=mz

という関係があり、どれか2つのパラメータを決めれば自動的に残りのパラメータも決定されます。

まずモジュールはマイクロマウスだと0.3、0.5あたりが使われているそうです。今回は作製の精度もそこまで必要とされず強度的にも余裕がある0.5にします。

タイヤ径が12.25 mmと決まっているのでギアの歯先はこれよりも小さい必要があります。今回はタイヤ外径よりも1 mm余裕を持たせた歯先円直径とします。
歯先円直径は24.5-1*2 mmでモジュールが0.5なので、
基準円直径は(24.5-1*2)-0.5*2=21.5 mmとなります。

モジュール0.5、基準円直径21.5 mmのとき、歯数はちょうど43になります。
またモータ側の歯数はギア比1:3より14.3…になります。歯数は整数である必要があるのでモータ側の歯数は14とします。このときギア比は14:43=1:3.07であり、2つの歯数は互いに素である組み合わせになるのでこれで進めていこうと思います。

基板-車軸距離

まず考えるべき事項を列挙していきます。

・タイヤ(MZW2-20)の寸法はKYOSHOのカタログより幅が8.5 mmタイヤ径は25 mmです。タイヤはある程度の柔らかさがあってつぶれることも考慮して24.5 mmであると考えます。

・今回の基板厚は1.2 mmとします。

・基板裏面に取付予定のトスベールは厚さ0.7 mmで、モータマウント取付用のねじ頭は0.6 mmであることから基板から1 mm程度は何かしらが飛び出ていると考えられます。

・フィールドの段差は1 mmを超えられる必要があります。

よってまず地面から基板(裏面)までの距離は2 mmに設定します。
そうすると基板(表面)-車軸間距離は24.5/2-(2+1.2)=9.05 mmとなります。

図にするとこんな感じです。

次回はこれらの決定した設計値からモーターマウント部分の設計を行います。

 

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