はじめに
こんにちは、槇原です。前回はモータに取り付けるギア比の決定をしました。今回はギアのサイズ等が決定したのでそれらをもとにモータマウントの設計をします。
と思っていたのですが、ギア比を決めてからモーターマウントを設計していたらいろいろと不具合が出てきたので前回のものは一回取り払って新しい設計値を使います。NG集も最後に書いておきます。
新設計
ひとまず結論としては以下のパラメータにしました。
パラメータ | 値 |
ギアモジュール | 0.5 |
モータ側ギア歯数 | 11 |
タイヤ側ギア歯数 | 45 |
基板表面-車軸間距離 | 9.05 |
この時のギア比は1:4.1になっていますが、前回の計算方法でモータが出すトルクについては速度4 mm/s、加速度5 mm/s/sは出せることを確認しています。
この歯数によってほかの寸法が決定されます。
まず、モータとタイヤの軸間距離ですが、これは2つのギアの基準円直径から決定されます。
それぞれの基準円直径は5.5 mm, 22.5 mmなので、軸間距離はそれぞれの和の半分の値で14 mmとなります。この値ピッタリだとモータマウント作製誤差等でモータが回りにくくなることが考えられるため0.1 mmの余裕を持たせて、14.1 mmとします。
次に基板表面-モータ軸間距離です。こちらは利用しているモータの外形が17 mmなのでそれに合わせて8.5 mmとしました。
これらが決まると上の図のように自動的に軸の位置が決まるので、この寸法で進めていきます。
タイヤ部の構造とモーターマウント全体像
今回はホイール、ギア、モータマウントは3Dプリンタで作製していく予定なので、ホイールとギアを一体化させたような形状にします。
タイヤ部分の断面は下の画像のようになっています。
ホイールとギアは一体になっています。軸部分にはスペーサを2つのベアリングで挟み込む構造になっていて、これを軸となるねじを通してモータマウントと固定します。
これのタイヤ部分とモータ固定部分と一体化してできたものが下の図になります。
おまけ ~CADに書いてから没になったものたち~
1. ピニオンが大きくなりすぎて取り外しができないことに気づく
はじめはタイヤ径>歯先円直径になっていればよいと思って先にタイヤ側の歯数を決めた例
すこし見づらいですが、ピニオンが大きくなりすぎてモータの取り外しをするためにピニオンを毎回取り外す必要が出てしまいました。
2. ピニオンを小さくしすぎてモータ軸とタイヤが干渉した
上で分かったようにピニオンを小さくすればおk!と思い、小さくした結果軸間距離が小さくなり、モータ軸とタイヤが干渉した。
→全てを考慮しないといけない
最終的にはすべての条件を同時に満たすようなギアに決定しました。
次回はセンサの取り付け角度について考えてみます。