こんにちは、しおたにです。
前回、タイヤ周りの構造が決まりました。
今回はそのタイヤとモータを取り付けるマウンタについて考えていきます。
設計した構造
マウンタと各部品との位置関係はこれまで紹介してきた通りです。
マウンタから外側にむけて車軸およびタイヤ配置し、タイヤの間に来る位置の機体内側にモータを配置します。
今回は軸間距離を固定するためのモータと車軸の位置決め方法の工夫点について主に書きたいと思います。
タイヤは消してあります。
裏から。青いのがモータです。
断面図
マウンタの両端が変な形になっていますがそれは今後解説します。
モータの固定方法
今回使用するモータ1717T 003SRは出力軸側の面に、M1.6ネジ穴が6個、軸を中心としたΦ10の円周上に開いています(データシート)。
もちろんこのネジ穴を使ってモータを固定します。ただし、同じモータを使用している人の機体をみるに、ネジ6本で止める必要はなく、最低でも対角の2本が止まっていれば良さそうです。
ただし、前回も書きましたが、ネジは締結するのが役割です。位置決めは別の部分で行います。
位置決めについて
データシートを見てみると、ネジ穴の位置について気になる指定がされています(下図赤点線枠内)。簡単に説明すると、この穴は指定した穴位置からΦ0.3の範囲内であればズレてもいいよということです。
つまり、モータを固定するにあたってマウンタのネジが通る穴は若干広く(少なくともネジ径より0.3mmは広く)空けなければならないということになります。これではモータの位置を正確に決めることが出来ません。モータの位置ズレによってギアの嚙み合わせに影響が出てしまいます。
FAULHABER社製品カタログより抜粋・追記
一方でモータのボス部分の指定(上図緑点線枠内)はΦ5.95~Φ6間に収めよというものになっています。ネジ位置の公差よりはだいぶ小さいため、このボスを位置決めに利用したいと思います。
マウンタ部分をボスと接するようにし、位置決めすることにしました。(下図左)
ここで注意したいのが、以前選定したピニオンの大きさです。
ピニオンの外径はΦ6.6とボスより若干大きいです。
このためマウンタ上部に大きめの穴をあけ、着脱時は上にずらして大穴に通せるようにしました。(下図右)
車軸の固定方法
前回紹介したベアリング押さえピンはM2.5の雄ネジになっている部分が5[mm]程あります。
この部分を使用しナイロンナットで固定しています。
ベアリング押さえピンはベアリングと接する部分の寸法精度が高く作られています。
この部分をマウンタに挿入することで車軸を面で精度よく保持することが出来ます。
位置決め方法のまとめ
モータは比較的寸法精度の高いボス部分、車軸はベアリングと接する軸部分をそれぞれマウンタに挿入する構造とすることで、位置決め精度を高め、軸間距離が正確になるような構造としました。
今回はここまで。