ししかわです。
社員研修の一環で、マイクロマウスを自作して大会に出場します。
今回から回路の作成に入ります!具体的には回路CADを使った回路設計と、プリント基板製造業者への発注、部品の実装まで行います。回路は未経験の領域です。外装(機械設計)のときと同じように、初心者としてどう進めていけばよいかをお伝えしていきます。
まずは回路設計です。
M5Mouseの回路ブロック図
マウス研修の先輩であるshotaさんのブログに倣い、回路ブロック図を描いて、回路に必要な要素を把握します。以前の記事でM5Stack(コア)とマウスモジュール(STM32)それぞれどの役割をもたせるかの図を書きましたが、今回は回路の観点からそれを一段詳細化したものになります。

M5Mouseの回路ブロック図
以下、簡単に主なブロックの説明です。
電源
マウスの動力源となる電源です。
リチウムポリマー電池を2個直結して7.4Vを作ります。
M5StackとSTM32の駆動電圧がいずれも3.3Vなので、マイコンだけならリポ1個でも足ります。
しかしM5Mouseはサイズの割に車体が重いため、前に進むのに十分なトルクのモータ(FAULHABER 1717 6V)を採用した結果、高い電圧を確保する必要がありました。
STM32とESP32
STM32はマウスモジュール、ESP32はM5Stackに搭載されたマイコンです。
2つのモジュール間で走行指令や速度のフィードバック等のやりとりを、I2Cを使って行います。
ESP32をI2Cマスタとして、STM32をI2Cスレーブとして通信する実験をすでに実施済みです。
モータ回路
足回りを担当するモータ回路です。次の部品が含まれます。
- 車輪を回すDCモータ
- モータを駆動するモータドライバ
- モータの回転を検知するエンコーダ
DCモータとモータドライバの駆動、エンコーダからの値読み取りは以前の記事で個別に動作確認しました。DCモータとエンコーダが一体になった部品を左、右の2個使います。モータドライバは1個でじゅうぶんです(DCモータを2個駆動できます)。
壁センサ回路
壁との距離を検知するための壁センサ回路です。次の部品が含まれます。
- 赤外線LED
- 赤外線センサ
赤外線センサからの値読み取りは以前試しました。これを左、左前、右前、右の計4セット取り付けます。
モーショントラック回路
マウスの位置、速度、姿勢を推定して走る方向や速度の制御を行います。M5Stackには加速度センサが搭載されているためこれを使う予定ですが、何か不都合があればマウスモジュール側に移すことも検討します。
なおコアモジュール側はM5Stackをそのまま使うため、回路設計の対象は回路ブロック図の上半分「マウスモジュール」になります。
以上、回路ブロック図を使って概要を説明しました。研修とブログ記事執筆のタイムラグのため、現在Kicad(回路CAD)を使った設計がある程度進んでいます。
次回以降は各回路ブロックの詳細な説明や、そもそも回路初心者がどうやって勉強したかなどの話を紹介していきたいと思います。