キット製作研修元Web屋のマイクロマウス製作記

全日本大会で完走しました – 元Web屋のマイクロマウス製作記 Part.11

キット製作研修

ししかわです。

12/1 マイクロマウス全日本大会に出場しました。

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結果

5回のトライ中、探索走行と最短走行を1回ずつ成功しました!

走行の様子は下記YouTube Liveの録画から見れます。

本番の振り返りと反省

スラロームの調整不足

スタートから階段状のスラロームがたくさんあります。
動画を見るとよくわかりますが、私のマウスは「スラロームの誤差が蓄積して、壁に接触する」というパターンでの失敗が多かったです。
開発時は4マス*6マスの小さい迷路で走らせていたため、この誤差はほとんど気になりませんでした。
フルサイズの迷路でしっかり調整すべきだったと思います。

斜め走行まにあわず

前回の記事でマウスの斜め走行を紹介しましたが、135度ターンやV90度ターンを含む斜め走行の実装が終わりませんでした。
代わりに「直進→右旋回→左旋回→直進」を斜めに突っ切るパターンと、「直進→右旋回→直進」を大回り旋回するパターンの2つを用意しました。
しかし、これらのパターンに合致する経路がほとんど無かった上に、肝心の変換プログラムにバグがあり、
「経路最適化しようとするとマウスが走り出さない」という現象に見舞われました。
幸い経路最適化のON/OFFを切り替えられるようにしておいたので、無事に最短経路での走行も行うことができました。

本番で斜め走行を披露できなかったのは悔しいです。次回の自作マウス編ではしっかり実装していきたいです。

地道な対策が功を奏した

社員研修の修了要件は「全日本大会で完走すること」です。
今回、「確実に完走するための対策」を色々用意して望みました。

  • 袋小路ではマウスの背面を壁に当てて、ズレを補正する
  • 探索走行時の旋回はスラロームと超信地旋回どちらも用意する(スラロームで失敗したら超信地旋回で走る)
  • 最短走行時のパラメータはゆっくり(探索走行と同じ加速度/最高速度)のものも用意する
  • 最短走行時の経路最適化処理をOFFにできるようにする
  • ゴール座標はボタンで変えられるようにする(座標を間違って書き込んでしまっていたときの対策)
  • 操作方法のメモ(カンニングペーパー)を用意する

本番の迷路をマウスが上手く走れないときの対策はもちろんですが、
同時に人的な操作ミスや、プログラムにバグがあった場合の対策も考えて実行しました。
操作方法のメモまで持ち込むのはやりすぎかもしれませんが、
「ヒューマンエラーは必ず発生する」「ミスしたときの焦りがさらなるミスを招く」という気持ちで愚直にやりました。

名札の裏に忍ばせていた操作方法のメモ

用意した対策の中には結局使わなかったもの、使ったもの両方ありますが、
限られた時間で確実に完走するために色々なリスクを考えて対策を重ねるのは良いことで、今後も続けたいです。

技術交流

大会前日の試走会に併せて実施された「マウスパーティー」、本番後の「技術交流会」に参加して、
全国のマウサーの皆さんとお話してきました。

出場したマウスを並べて記念撮影

本番の走行では遠目にしか見れないマウスも、じっくり手にとって見せていただきました。
どの開発者の方も「ここはこうしたい!」という強いこだわりを持って開発されているのが伝わってきました。
開発の苦労話なども聞けてとても参考になりました。

余談

今回の迷路、なんと「マイクロマウス記録認定証」でおなじみの迷路です!

おわかりいただけただろうか…

「40周年にふさわしい迷路を」という理由で採用したとのことでした(実行委員長の鈴木先生談)。

40周年の節目となった今回の大会ですが、運営の「今後もいつもどおりやっていきます」というメッセージが印象に残っています。
テレビではNHKロボコンのような華やかな大会が注目されがちですが、
一方マイクロマウスのように40年間ルールもほぼ変えずに続く大会の存在は
「開発者の技術伝承」「その年々の技術動向を占う試金石」のような役割を担うのだなあという思いです。

以上で、マイクロマウス研修(キット編)は一区切りです。
次回からは基板から作る自作マウス編です。がんばります!!

自作マウス開発はじめました!

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