はじめに
こんにちは。アールティの加藤です。
本連載では、ハードウェア、ソフトウェア、電子回路などを自作してオリジナルのマイクロマウスを製作する研修(自作マイクロマウス研修)について書いていこうと思います。1年~2年ほど続く長い研修ではありますが、最後までよろしくお願いします。
マイクロマウス学習キットPi:Co Classic3を使用した研修の連載はこちらです。
研修の目的
自作マイクロマウス研修の目的の一つは、ロボット開発で必要になる技術や知識を一通り身に着けることです。具体的には、回路設計、基板設計、ハードウェア設計、デバイスドライバ作成、モータ制御、迷路探索アルゴリズムの実装などを経験する必要があります。
ロボットを構成する要素を全て理解することは困難ですが、個人的には一通り経験しておけば仕事で役立つことも多いだろうとも思っています。マイクロマウス研修の詳しい説明については以下の記事をご覧ください。

製作する機体について考える
まずは製作する機体の要素を決めなければ何も始められません。たとえば、どのマイコンを使うか、どのモータを使うか、どのセンサを使うか、機体の大きさはどうするか、バッテリはどこに置くか、UIはどうするか、などなど、考えなければいけないことはたくさんあります。
しかし、私のようなマイクロマウス初心者が唐突にマイクロマウスを自作しろと言われて、何の頼りも無しに部品を選定したり、ハードウェアや基板を設計したりするのは難しいです。
ということで、まずは先輩方に話を聞いたり、先輩方のブログ記事を参考にしたりするなどして、自作マイクロマウスの情報を集めてみようと思います。

機体構想
まず以下のshotaさんの記事を参考にして「どんなマイクロマウスを作りたいのか」という目標を明確にしました。

shotaさんの場合は、ESP32(マイコン)を使ったマイクロマウスを作ることを最初に決めています。私の場合は、大会における迷路完走を第一目標として、安定して走行できるオーソドックスな機体を製作しようと考えています。
つまり、一般的に大会でよく使われている機体構成を真似することで、迷路を完走する可能性をできるだけ高めようという考えです。
また、基本的には社内研修用に作成された「板Pi:Co」と呼ばれている機体を参考にします。
スケジュール管理
次に以下の鍬形さんの記事を参考にして製作スケジュールを考えました。

これまでの私の人生において、計画を立てて成功した試しはありませんが、そうは言ってもせっかくの研修ですから、頑張ってスケジュールを立ててみようと思います。ちなみに、GitHubの機能を使用するとスケジュールとタスク管理が簡単とのことです。私もさっそく使ってみました。
ざっくりと自作マウス製作のスケジュールを決めました。

スケジュール
流れとしてはこんな感じです。
- スケジュールと機体を考える(1週間)
- 全体図を決める(1週間)
- 部品選定(1週間)
- メカ設計(4週間)
- 回路設計(8週間)
- 基板発注(6週間)
- 基板実装(3週間)
- ソフトウェア実装(8週間)
2024年2月17日~2月18日に開催される全日本マイクロマウス大会までに機体を完成させる予定です。
機体サイズ
次は製作する機体のサイズを考えました。しおたにさんの記事によると、機体のサイズは縦100[mm]×横70[mm]以内が良いらしいです。

特に斜め走行のためには横幅に余裕を持たせることが重要とのことですので、私もこのサイズを目安に機体を製作していきたいと思います。また、私が参考にする板Pi:Coのサイズは縦100[mm]×横68[mm]なので、その点においてもちょうど良さそうです。
全体のサイズ感が分かると、作りたい機体がイメージしやすくなりますね。ワクワクしてきました。
機体の構成要素とイメージ図
最後にhayashiさんの記事を参考にして、機体の構成要素を書き出してから、機体のイメージ図を描きました。機体の主な構成要素は以下の通りです。
- CPU : STM32
- モータ : 1717T006SR(エンコーダ付)
- センサ : 距離センサ、ジャイロセンサ
- UI : モード選択用スイッチ、電源スイッチ、モード表示用LED、電源用LED、ブザー
- その他 : モータドライバ、タイヤ、ギア、バッテリなど

ざっくりとした機体のイメージ図はこんな感じになりました。

イメージ図
かなりシンプルでオーソドックスな構成になりました。
計算を簡単にするため、タイヤは機体の中心に配置します。ジャイロセンサも中心に配置する予定です。また、スイッチやLEDなどのUIは機体の後部に配置する予定です。残りのパーツは設計をしながら配置を決めていこうと思います。
おわりに
本記事では自作マイクロマウスの計画を練ったことについて書きました。また、製作する機体の構成要素を書き出して、全体のイメージ図も決めました。
次回は部品選定を行って、その後はいよいよ基板設計とメカ設計を始めます。どちらも大学の講義で少し習った程度なので、ほとんど初心者ですが、楽しみながら勉強していきたいと思います。
それでは、また。