こんにちは、しゅうです。
今回は、前回行った基板実装において、ショートしている部分の修正作業を行います。
修正作業
ショートする原因は色々とあります。回路図の配線ミス、届いた基板の不具合、ハンダブリッジなど。
今回は基板に部品を実装した直後なので、目視でハンダブリッジが無いかを確認します。
マイコン周り
前回の記事の「基板チェック」で判明した1ピンずれとハンダブリッジを直します。
1ピンずれ
1ピンずれについては、ヒートガンを用いて直します。基板裏から熱風を当てて、ハンダが溶けたら優しくずらします。
力加減が難しいので、大きくずれてしまったら一旦剥がしちゃいましょう。
剥がした場合は、先に基板上のランドを確認して、ハンダブリッジがありそうなところはハンダゴテを当てて直しておきましょう。
ランドを綺麗にしたら、マイコンを元の位置に乗せて、改めて裏から基板を温めましょう。
ハンダブリッジ
基板全体を確認してみると、マイコン周りのハンダブリッジを修正すれば良さそうです(以下の写真は前回のものと同じです)。
ここではハンダゴテとフラックスというハンダ付け促進剤を使います。ハンダは溶かしたり固めたりを繰り返していると酸化したりホコリなどの異物が混ざり込んで溶けにくくなります。フラックスを用いることで、ハンダが溶けやすくなります。また、ハンダ吸い取り線なども後ほど使います。
ということで作業に取り掛かります。マイコンの1辺にフラックスを塗ります。沢山塗っても特に支障はないので、ペタペタ塗っちゃいましょう。
塗った辺の角にハンダゴテを当ててハンダが溶けるまで温めます(下記画像1)。ハンダが溶けたら、反対側の角までゆっくりハンダゴテを動かします(下記画像2)。
イメージとしては、大盛りのハンダやブリッジで余った分を一箇所にまとめる感じです。まとまったハンダを、ハンダ吸い取り線や吸い取り機で取り除きましょう。
まだハンダが残っていそうだったら、再度同じ作業を繰り返しましょう。あるいは、各ピンに対してハンダをランドの方に伸ばすようにして引いたり、表面張力を利用して左右のランドに移していきましょう(下記画像3)。もしハンダが吸い取れなかった時は、ハンダを少し追加してから吸い取り作業を行うと良いです。
以上の作業を残りの3辺でも行います。
フラックスを使うと、ちょっと基板が汚くなるのでフラックスクリーナーと綿棒を使って掃除しておくと綺麗になります。
ショートの確認
目視でマイコン周りが綺麗になったように見えますが、念のためテスターを使って各ピンがショートしていないか確認します。
すると、マイコンの63番ピンと64番ピンがショートしていました。嫌な予感を覚えつつ、回路図を見返してみると……
GNDと3.3Vがショートしていました。
このままバッテリーを接続すると、モータドライバやマイコンなどの素子から煙が出て壊れてしまうところでした。事前に発覚して良かったです。
目視だと63番-64番ピンにハンダブリッジが確認できないので他のところでショートしていることになります。考えられる他の原因を以下に示します。
- 基板レイアウトにミス、または製造時の不具合がある
- 実際の素子とKiCAD上で設計したフットプリントに食い違いがある
- コンデンサなどの極小素子の下にハンダが入り込んでいる
まずは、部品が実装されていない状態の基板をチェックします。しかしテスターが特に反応していないので、GNDと3.3V以外のところ含め、正常に作られていそうです。
では、レギュレータやモータドライバなどの素子のフットプリントが違うのかを確認します。データシートと照らし合わせてみましたが、問題はなさそうです。
さらに問題を切り分けるために、素子を外してみます。3.3Vが繋がっているレギュレータとモータドライバを外します。
が、しかし、まだショートはしています……
次に、コンデンサなどの極小素子を取り外してみます。こう言った小さい素子だと、ハンダが素子の下に潜り込んでブリッジができる可能性があります。
ですがここまでやっても、ショートしたままです。あと残すはマイコンを外すことです。
先輩や同僚にも相談しながら2,3日かけて進めていましたが、中々解決できず心が折れかけている状態でした……
そして観念してマイコンを取り外しても、まだショートしてました。完全に絶望しかけつつも基板をじっくり観察すると、なんとマイコンのピンに隠れていて見えなかった部分に小さなハンダブリッジがありました。ハンダを追加で流し込むと、ピンの下に潜り込んでしまうことがあるそうです。今後の実装では気をつけて行きたいですね。
ようやく原因が判明した開放感により、写真を撮っておくことをすっかり忘れていました。
そこを直し、コンデンサなどの素子を元に戻してみたところ、ショートが解消されました!!
これでやっと残りの部品を実装できます。
まとめ
長い戦いでしたが、ようやく残りの素子などを取り付けることができました。
次回はモータマウント周りの組み立てなどを行なっていきます。