しゅうの自作マウス研修

組み立てpart1 リフローによる基板実装 – しゅうの自作マウス研修 part37

しゅうの自作マウス研修

こんにちは、しゅうです。
それでは、今回は基板と各種部品が届いたのでハンダ付け作業をします。
長くなっているのでゆっくり読んでいただければと思います♪

マイコンボードからマイコンを入手する

今回僕が選定したマイコン、STM32F103RBT6はマイナーかつ古いものになっています。
また、昨今の半導体不足などの影響で生産が追いついていない模様です。参考1
すなわち、マイコン単体で買うことができないため、マイコンボードから剥がしてマイコンを手に入れる必要があります。しかし、マイコンボードも販売が終了してしまっている状況です。参考2
つまり僕の手元には、以前買ったテスト用のマイコンボードの2つしかない状態です。壊してしまったら後が無い状況に悲しんでいたら、何と秋月にてマイコンボードが販売されていることを知りました!こちらの製品になります、STM32F103マイコンボード
Nucleoボードと比較すると、デバッガーがついていないだけですね。これで、マイコンの確保ができるので部品数の余裕が生まれました。

マイコンを剥がす

ボードからマイコンを剥がすためには、基板の裏から熱風を当てて、全体のハンダを溶かします。「裏から熱風を当てる」がとても重要になります。表面から当てると素子に熱が直接当たってしまい、壊れてしまう可能性がとても高いです。
熱風を当てるために、今回は下の画像のヒートガンを使います。赤いボタンで温度を調整し、黒いノブで風量を調整できます。僕は370度に設定して風量は5あたりに調整しました。

下の画像のように、基板を中に浮かせて、裏から熱が当たるようにします。結構辛抱強く熱風を当ててました。
また、基板全体が熱くなるので火傷には十分気をつけてください

数分当て続けて、ようやく剥がせる状態になりました。ハンダが溶けてテカテカと銀色に光るようになります。ピンセットなどで剥がす時、マイコンのピンが曲がったり折れたりしないように優しく動かしてあげましょう。
また、今回はマイコンの入手が目的なので、他の素子がずれちゃっても問題ありませんが、ボード上部のデバッガーは持っておくと今後の書き込み作業や動作確認時に使えるので取っておくと良いです。

マイコンを剥がしたら、無くさないように保管しましょう。

リフロー作業

それでは、基板に素子を載せてハンダ付けします。今回は全ての部品をハンダゴテで取り付けるのはかなり難しいので、リフローという手法を実施します。簡単に作業工程を述べると、以下の通りです。

  1. ハンダペーストを塗る
  2. 素子を配置する
  3. ホットプレートなどで基板全体を温めてハンダを溶かす
  4. 基板を冷ます

ハンダペーストを塗る

ハンダペーストを塗るときは、以前注文しておいたステンシルを使います。このステンシルの穴が基板上のレジスト、即ちハンダがのるところに重なるので、綺麗に重ねてハンダペーストを塗ります。
ステンシルの固定方法として今回は磁石を使います。ステンシルが曲がって歪んでしまわないように、複数枚基板を並べておきます。

そこにステンシルを重ねて、固定用の磁石を配置します。

そしてハンダペーストを塗ります。すべての穴にペーストが入るように満遍なく塗りましょう。山になっているとハンダブリッジの原因になるので、余分なペーストは除去しておきましょう。下の画像だと少し塗り過ぎてしまってますね(綺麗な状態の写真を撮り忘れました…)。
 

塗り終えたら綺麗にステンシルを剥がして、部品を配置して行きましょう。この時、ステンシルをなるべく垂直方向に剥がすようにしましょう。前後左右にずれてしまうと、その分ハンダペーストもずれてしまいます。

部品配置

下の画像の左下に映り込んでいる黒い物体はゴムシートです。このようなシートがあると、袋から素子を出した時に、跳ねてどこかに飛んでいく事故を軽減することができます。

ピンセットなどを駆使して部品を配置していきましょう。通常のハンダ付け作業と同様に背が低い部品から配置しましょう。背が高い部品を先に置いてしまうと、ピンセットなどで誤ってずらしちゃう可能性が大きいからです。

ハンダを溶かして、基板を冷ます

次に、ホットプレートを保温状態にして余熱しておきましょう。今回使用しているホットプレートはダイアルで調整できて、目標温度に達するとLEDが消灯します。
消灯したら基板をホットプレートに乗せます。この時、絶対に基板を落とさないように気をつけましょう。僕は幸い、大きな事故は起こしませんでした、よかった〜。
ホットプレートに乗せたら、250度あたりまで温めて、ハンダが全体的に溶け出すまで観察しておきましょう。全体的に溶けたら電源を切り、冷まします。

基板チェック

以上で出来上がった基板をチェックしてみたところ、何とマイコンが1ピン横にずれてしまいました。
どうやら部品を配置した時点でずれていたようです。リフロー直前のチェックは、うるさいぐらいがちょうどいいのかもしれませんね……泣

マイコンを剥がした時と同様の手法を用いてハンダを溶かして、少しずらして行こうと思います。
また、マイコンのピンをよく見るとハンダブリッジがあり、ショートしている部分もあるのでその修正作業が必要になります。

まとめ

ここまでで、大まかな実装は完了しました。
次の作業としては、ハンダブリッジの対応、コネクタや光センサの実装が残っています。
次回は、それらの作業について紹介していきます。

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