ショウのマイクロマウス研修

ショウのマイクロマウス制作-Part32

ショウのマイクロマウス研修

こんにちは、ショウです。今回は吸引ファンの作成をしていきます。今回吸引ファンの羽形状の作成にポンプ羽根車の作図で使用される1円弧法という作図法を使って作成しています。また、ファンの形状による吸引力の差を見るためにいくつかテスト用のファンを作成しています。

作図パラメータ

羽根車を作る際に、羽の入口と出口の角度を指定して作成します。

今回は出口角度を指定して、作成できる範囲で入口角度を後から設定していきます。

調べたところ羽根車の設計において、stepanoffの推奨値というものがあり、出口角度が22.5°が推奨されているそうです。

なので出口角度を22.5°に設定して他のパラメータはテスト用の形状を作ってテストしてみることにしました。

入口になる基板の穴径はすでに作成してしまって決まっている(7mm)のでここは固定で作成していきます。

実際に作図をしていきます。

吸引ファン作成

まず吸引ファンの外形になる円と羽の内側の終端になる円を書きます。今回は外形を15mmにしてあります。

 

中心から垂直に補助線を引き、補助線と出口角度の22.5°になるように線を引き、もう一つ円の中心から入口角と出口角の合計になるように線を引きます。今回は作成可能な角度の関係で56°にしています。

 

次に入口角の線と円の接点から羽の内側の円に向けて線を引きます。

 

先程引いた内側の円に向けて引いた線と56°に引いた線の交点が内側の円上になるように拘束します。

 

拘束した線の中点から垂直に線を引きます。

 

先ほど引いた線と出口角の線の交点に点を打ち、交点から外側の円と内側の円をつなぐ円弧を引きます。

 

 

先ほど引いた円弧にオフセットをした線を引きます。オフセットだけだと両側に足りない部分やオーバーする部分が出るので、延長やトリムを使って修正します。

 

スケッチを終了し、羽の部分を押し出します。

次に羽の必要な部分を切り出すためのスケッチを描きます。

羽に垂直な面にスケッチを描き始めます。まずは底面になる部分を描きます。今回は空気の流路を考えて円弧上に底面になる部分と中心のモータ軸になる部分を作成します。

 

次に吸引ファンの高さになる部分の線を引きます。今回は高さ7mmになるように線を引いています。

 

先程の線の上側の点から円弧を引きます。この時の円弧の中心は特に決めておらず感覚でおいています。先程の底面の円弧も同様ですが、この円弧の角度や半径でも特性が変わるので今回はテストしていませんがテストしてみてもいいかもしれません。

 

次に上側の点から床面になる部分に中心円の半径になる部分に引いていきます。

これで羽の形状のスケッチが作成ができました。

先程のスケッチを回転カットを使って切り抜きます。

切り抜くとこのような形の羽ができます。

切り抜いた羽を回転パターンを使ってコピーします。

回転カットで使ったスケッチを再度使って羽の土台を作ります。

次に流路になる外壁と羽の底面の厚みを作ります。外壁部分は前のスケッチから投影させるとずれがありません。底面に厚みをつけないと厚み0の部分ができてしまうのでDMMでうまく作成してくれなくなります。
(底面の厚みは一つ上のときに作成しても良かったです。)

 

これで吸引ファンの作成ができました。

今回3次元ファンもテストで作成してみたので作成方法を書いていきます。
最初の羽の形状のスケッチまでは同じ操作なので省略します。

羽のスケッチができたら次にサーフェース機能を使うので、内側と外側の円にサーフェースを作成します。

次にサーフェースに投影するための線を作成する平面を円の外側に作成します。

作成した平面に羽を押し出すためのガイドになる線を引きます。今回は20°にしています。

作成したスケッチをサーフェースに投影するを使ってサーフェースに写します。

同様に内側にも基準となる線を引きます。こちらは斜めにしないのでサーフェースと羽のスケッチの端の接点に平面を作ってスケッチを作成します。

これで羽作成の準備ができたのでスイープを使って羽を押し出します。
図のように羽をプロファイル、外側の線をパス、内側をガイドレールにしてあげるときれいに作成できます。

あとは2次元と同じように底面と流路の壁を作れば完成です。

テスト用の吸引ファン

形状による吸引力の変化を見てみたいので複数のファンを作成して見ました。

上のファンと同じ方法で羽の部分を作成して、高さや羽の入口側の円のサイズを変更したバージョンを用意しました。

高さに関しては社内でファンの回転速度が一番影響が大きいのではという話を聞いたので、ファンを軽量化してモータが必要とするトルクを減らして回転数を稼げないかと考えて作成しました。

本来は流路の角度なども変えてみると面白いかと思いましたが、今回はテストに入れていません。(パラメータが多すぎてテストしきれない…)

作成したパターンは上で作成したファンを基準に羽の入口側を小さくしたパターンと高さを変えたパターン両方を変えたパターンを作成し、おまけ的に羽に角度を入れた3次元羽も作成してみました。

他にもマイクロマウスでよく使われている流路に合わせた底面を作成していない形状のファンも作成しました。実際こちらの方が羽のサイズは大きいので空気を押しのける量は大きいので吸引力が強くなる可能性もあります。

こちらは羽部分は同じ方法で作成し、底面の流路用の底面を作成せず、入口側に割れ防止の為の板を追加したバージョンで作成しています。

3次元ファンも2つ作成しており、先程の20°と30°を作成しています。

今回はここまで、次回は今回作成したファンで実際に吸引力を測定していきます。

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