こんにちは、nomuraです。
今回は基板発注の準備についてです。
前回は配線を終わらせた報告でした。自作基板を製造する方法もいくつかありまして、
- ユニバーサル基板に回路を組む方法
- 感光基板で作成する方法
- CNCで削り出す方法
- 基板製造会社に発注する方法
などがあります。どれが正解ということはなくて、基板の使用目的や精度、かけられるお金など色々な条件で判断して選択します。私の場合、ユニバーサル基板やCNCでの制作経験はあるので、研修としては別の手段にチャレンジしたいですね!
という前置きで、今回はElecrowという会社の基板製造サービスにお願いします。とにかく価格が安くて趣味の基板製造では名前がよく出る会社です。品質もそれなりですが、上手にお付き合い出来ると作品の幅が広がりそうです。
今回はKiCadでElecrowに基板製造をお願いするための準備です。
基板の製造にはガーバーデータとドリルデータをKiCadで作成したデータから出力する必要があります。まずは基板エディタの[ファイル]-[プロット]メニューから製造ファイル出力画面を開きます。
この製造ファイル出力画面で適切なメニューにチェックを入れて出力内容を設定します。左に赤で囲った各レイヤーが出力対象のレイヤーです。今回は2層基板の例です。作成する基板の仕様によって変わってきますので注意して下さい。
Protelの拡張子を使用という部分のチェックを忘れないようにして下さい。デフォルトの線幅設定はどうやって使うのかな?デザインルールの方で定義して配線しているので特に設定しなくても大丈夫です。出力ディレクトリには何でもいいのでわかりやすい名前を設定します。設定したら製造ファイル出力ボタンでガーバーデータを出力します。
次にドリルファイルの生成ボタンも押します。ドリルファイルの生成画面が表示されるのでこちらも設定します。
赤で囲った部分を設定します。間違えると基板に穴が開いてない!などの悲しい目に合うらしいので注意します。設定後はドリルファイルボタンで出力ディレクトリへドリルファイルを生成します。ファイルの出力はこれでおしまいです。今回の例では合計で8ファイルが出力されます。出力されたファイルを見てみましょう。
レイヤーの名前が付いている感じのファイルが7つと、ドリルファイルが1つですね。
出力されたファイルで発注を行いますが、その前にちゃんと出力されているかを確認しましょう。KiCadの機能の一つであるガーバービューアで確認出来ます。
[ファイル]メニューから[ガーバーファイルを読み込む]、[EXCELLONドリルファイルを読み込む]の順に実行して作成した上記のファイルを全て読み込みます。ガーバーファイルは複数一度に開くことが出来るのでガバッといきましょう。
全て読み込むとこのような表示になりました。
右側のレイヤメニューから表示/非表示を切り替えて、思った通りに出力されているか確認します。ここが最後のチェックポイントです。例えば穴がちゃんと開いているかなどですね。
チェックは大丈夫でしたか?
ここからはElecrowに発注するためのルールです。最低限、次の2ファイルの拡張子を変更する必要があります。
”.drl”を”.txt”に、”.gm1”を”.gml”に変更します。gmlの方は見た目が似ていて紛らわしいので気を付けましょう。拡張子を変えなければファイル名は短くしたり適当に整理しても問題ありません。Elecrowへの発注にはこれらのファイルを一つのzipファイルに圧縮します。今回の例でいうとガーバーデータを出力した”elecrow”フォルダを圧縮してelecrow.zipファイルを作る要領です。
長くなってしまったので今回はこのあたりで。
次回はいよいよ自作基板の発注です。