こんにちは、nomuraです。
今回から基板設計に入ります。ちょっと長くなりそうな予感。
前回は回路図とフットプリントの関連付けを行いました。いよいよ基板設計だ!と思っていたのですが…。
KiCADでは関連付けを行った回路図をネットリストというファイルに一度出力して、プリント基板エディタで読み込む形でツール間の連携を取っています。ネットリストファイルは回路図エディタの上にあるボタンで生成します。
このファイルには部品の面積や、部品と部品の接続関係が記載されているので、あとはプリント基板エディタで具体的な配線を行っていくという流れになっています。
ここまでは良かったのですが、基板設計ツールを開いて検討し忘れている設計に気づきました。
マウスの形が決まっていません!
近年のマイクロマウスはモーターの付いたプリント基板が走るという、字面だけ見ると少し愉快な設計が一般的らしいのですが、今回もこの”板マウス”を設計しようとしていました。するとマウスの形を決めないと部品が配置できないわけで…。
このマウスの形の決め方ですが、設計方針によって色々なようであまり答えというものは無さそうです。ただし車幅が狭いとカーブが曲がりやすいという利点(やりすぎは良くないみたい)はどのマウスでも意識されているように思いました。
先日のマイクロマウス全国大会でも、Pi:Co Classic3が斜め走行するのを見てとても驚きました。車幅が74mmなのでかなりスレスレなのです。
文章で表現してもイマイチ解りづらいので、迷路を3DCADで描いてみました。
壁が縦横4枚ずつなので4×4(よんかけよん)と略されたりします。画面右上の奥をスタートとして考えて、斜め走行がどのように大変か見てみましょう。
Pi:Co Classic3のサイズと単純に見比べるとそこまで狭く感じませんが、斜めに走らせることを考えると全く余裕がありません。
上図4番のようにカーブへ綺麗に侵入するためには、1~3の間にもっと内側の壁に寄せないといけませんね。「侵入が多少乱れても、スペースがあるので補正出来るのでは?」とも考えてしまいますが…。
斜めの道をまっすぐ走行するためには、この程度の幅しかありません。補正に頼るには狭い…やはり侵入角度は大事ですね。蛇行しながら通る分にはスペースがあるのですが、最近の速いマウスではこの斜め走行がとても重要になっているようです。出来ればカッコよく斜め走行もしてみたいですよね?
Pi:Co Classic3の車体幅は74mmなので、このあたりが斜め走行が可能なボーダーラインかな?と感じます。タイヤの幅もありますが、幅は70mmを切るぐらいで基板を設計する必要がありそうです。
今回はこのあたりで。
次回も引き続き基板設計を進めていきます。