技術情報・開発日誌

Pi:Co Classic Ver3 改造例(2)

Pi:Co Classic Ver3 改造例(1)では、7セグを使用した改造例を示しましたが、今回は、その7セグの制御のハード側の設計について語ります。
今回使用した7セグは、アノードコモンの3桁緑色のshen Zhen Tekivi社の2381BGを使用しました。秋月電子通商で100円で売っているものです。アノードコモンはLEDの電源側(VDD)が共通になっていてカソード側で点滅の制御をするタイプです。下の回路図が今回開発した7セグとPICの回路図です。
7セグ回路図
回路図から3桁の7セグとPIC16F687とPchFETと抵抗で構成していることが分かると思います。先ほど、アノードコモンの7セグはカソード側で点滅を制御すると書きましたが、3桁の7セグは、カソード側も共通化されているため、アノード側も制御する必要があります。アノード側をすべて電源(VDD)につなげてしまうと3つとも同じにしか点灯しません。何となく想像がつきますよね。3つの7セグを個々に点灯をさせるには、アノード側で電源のON/OFFを切り替えて制御します。
アノード側で電源のON/OFFすると三つ同時に点灯できないのではないか?という疑問が沸くかと思います。しかし、安心してください。実際には、3つ同時には点灯していません。3つ同時に点灯しているように見えているだけです。
Pi:Co Classic Ver3 改造例(1)のブログの2枚目の写真で”115″と表示されてると思います。よ~く見ると左の”1″が暗く、右の”5″が明るくなっているのが分かると思います。これは、撮影する角度の問題も少しはありますが、7セグの点灯方法によるものです。
どこかでPWMの言葉を聞いたことがあるかと思います。ロボコンマガジン2016.9号のマイクロマウスではじめようロボットプログラミングwithロボット女子会でPWMについて解説していますので、ご参考に見ていただけると幸いです。
なぜ、PWMという用語を持ち出してきたかというと、PWMはON/OFFだけで、LEDの明るさの調整やモーターの速度の調整に使用されています。前者のLEDの明るさの調整にPWMを使用していますが、LEDがチカチカとしていません。この技術を使用して7セグを3つ順番にON/OFFして点灯の制御をしています。
7seg-2
左図が7セグとPICのブロック図になります。7セグの電源を制御するのにPchのFETを使用していますが、PNPのトランジスタでもOKです。Pchはローアクティブです。ローアクティブとは、FETのゲートに”0″を入力したときにFETがONになることを言います。逆に、Nchのアクティブはハイです。Nchはゲートに”1″を入れたときFETがONになります。
使用した7セグのVF(Forward Voltage) が1.93Vで、電源が3.3Vで10mA程度流そうと抵抗値を決めました。7セグの直流電流は20mAとなっていますが、MAXで流すと壊れやすくなるため半分にしています。パルスでは100mAまで流せますが、デバッグ中は何が起きるかわからないので直流で計算した方が無難です。
R=(3.3-1.93)/0.01 = 137Ωになりますが、
入手しやすい抵抗値にすると120Ωと150Ωが近いですが、安全をとって抵抗値が大きい150Ωを選択しています。
最初は、PICなので、大電流を流せる(マイコンの中ではI/Oからまたは、I/Oに大電流を流せることで有名)と思いFETが必要ないと思って設計していましたが、マニュアルをみると1portあたり25mAしか流せないことが分かりました。カソード側は7本バラバラなので問題なのですが、アノード側は7個すべて点灯すると10mA×7=70mA必要になるのでFETスイッチングするようにしました。
150Ωでは少し暗めでしたので100Ωぐらいがいいのかなぁと思います。

次回は、PICのプログラミングについて語ります。

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