はじめに
こんにちは、槇原です。前回まででマウスのハードウェアが完成しました。今回からはソフトウェアに手を付けていこうと思います。
今作っているマウスは板Pi:Coということで、もともとアールティで販売しているPi:Co Classic3をベースに板マウスに変更した社内用のリファレンス機体になっています。特にマイコン・壁センサあたりは回路を流用しています。マイコンはPi:Co Classic3と同じRX631ボードを使っているため、いくつかプログラムも流用できそうです。
またこの板Pi:Co研修の後には完全にオリジナルの自作マウスを作るのでその時にマイコンが変わっても上位レイヤーは書き換えずに済むようにコードの切り分けを意識していこうと思います。今後のブログではデバイスドライバ周りとして、マイコンの各機能の説明を書いていこうと思います。
今回はその前段階として、RX631へのUART書き込みについて説明します。
書き込み回路
今回はRX631にUART書き込みを行います。書き込み時はSCI1チャンネルを利用します。ブートモードで起動するためには、MD端子をLow、PC7端子をLOWにする必要があります。
RX631のユーザーマニュアルより
UARTピンは今回利用しているマイコン(R5F5631MDDFM)では書き込み用のUARTピンとしてはSCI1を使う必要があるのでP15/P30(RXD)とP16/P26(TXD)が利用可能です。
今回はP30/P26ピンをUARTポートとしてピンを出していたのでここにUSBシリアル変換器を使ってPCと接続します。
このマイコンボード(RX631搭載CPUボード)のMD端子はスライドスイッチでHigh/Lowの切り替えができるようになっています。またPC7端子はプルアップされているので、GNDにショートできるようにしてUART書き込みをできるようにしました。
書き込み
Renesas Flash Programmerを起動して、File>New Project…より
MicrocontrollerをRX63x
Project Nameは今回はita_PiCoとしました。
Project Folderはデフォルトの位置とします。
CommunicationのToolをCOM portとしてCOMポートを適宜自分の環境に合わせます。
図のような設定にしたらConnectで接続します。
プログラムファイルには.motファイルを指定してスタートボタンを押すとプログラムの書き込みが開始されます。.motファイルはCS+ for CCでPi:Coのプロジェクトをビルドして生成されたものを書き込みました。
書き込んだあとMD端子をHigh(マイコンボードだとRUN側)にしてリセットするとプログラムが実行されます。
次回以降はマイコンのペリフェラル周りやセンサ類の動作確認を行っていきます。