こんにちは。
本日のテーマは「光反射型距離センサ」でした。
Pi:Co Classic2はこのセンサを使って壁までの距離を見ています。
このセンサの特徴として光の量は距離の2乗に反比例の関係を利用して距離を測定しています。
発光する側にはNPNのトランジスタがついていて
トランジスタのBaseからGNDの間に抵抗が付けられています。
このようにBaseからGndに抵抗を挿入することをpull downと呼び
NPNの場合、CPUから不安定な信号がきても動かないので
必要のない時にLEDが光ることを防ぐことができます。
仕組みは図のように抵抗と抵抗の間の電圧が限りなく0Vなるため
不安定な信号がきても動かないようにしています。
これをpull up(電源側に抵抗を接続)すると不安定な信号がくると動いてしまいます。
逆に、PNPのときはpull upするとCPUから不安定な信号がきても動きませんが
pull downすると不安定な信号がくると動いてしまいます。
受光側はフォトトランジスタというのが付いています。
これはフォトダイオードとトランジスタが組み合わさったものです。
受ける光が強くなればなるほど、流れる電流量も多くなります。
ADCとはアナログデジタルコンバーターのことで
アナログデータからデジタルデータへの変換を行っています。
反対にDACはデジタルアナログコンバーターのことで
デジタルデータからアナログデータへの変換を行っています。
壁との距離が近いと受光する量が増え
フォトトランジタのエミッタにつながった抵抗の電位差が大きくなります。
その電位差の値をマイコンがキャッチし、距離を測定します(近いと認識)。
反対に壁が遠く受光する量が減ると電位差は小さくなります。
そしてその電位差の値をマイコンがキャッチし、距離を測定します(遠いと認識)。
回路を見るとフォトトランジスタの出力にコンデンサとそこからGNDを繋ぐ位置に抵抗が付いています。
コンデンサは高周波のとき抵抗値が小さくなり
低周波の抵抗値は∞になります。
この性質を利用したのがこのコンデンサと抵抗を合わせたHPF(High Pass Filter)です。
Pi:Co Classic2が発した光の反射光だけを受光するわけではありません。
蛍光灯や日光、所謂外乱光も受光してしまいます。
外乱光は大会では低周波の成分が多いためHPFで除去することで
Pi:Co Classic2が発した光の反射光だけを見れるようにしているのです。
逆に高周波はLPF(Low Pass Filter)で除去します。
特定の周波数が必要なときはHPFとLPFを組み合わせたBand Pass Filterを用います。
これらのフィルターは電圧が下がってしまうという欠点があります。
それをどう乗り越えるのかはまた明日の講義になりそうです。
本日のキーワード
・光反射型距離センサ
・pull down
・pull up
・フォトトランジスタ
・ADC
・DAC
・HPF(High Pass Filter)
・LPF(Low Pass Filter)
・Band Pass Filter
それでは最後に本日のオフショットです。