はじめに
はじめまして。駆け出し新米アールティ新入社員の小島です。
世の中は研修があふれています。全新人、研修を避けては通れません。カレンダーの研修カーペットを駆け抜けて、一人前になります。
つい先日も、お買い物でクレジットカードの払い戻し処理をしました。
レジで研修中の店員さんが、首をかしげながらも同じ商品をスキャンしていました。研修は魔法の言葉。
さてさて、講義のような座学研修もあれば、スーパーのレジのようなOJTまで一言に研修といっても数多あるわけですが、我らがアールティ、どのような研修を行っているのかというと、
マイクロマウス研修です。
マイクロマウス研修
このブログを見られている方に、マイクロマウスって何?となる方は少ないかもしれませんが、私はあまり耳なじみがありませんでした。
YouTubeで1回最速走行の動画を見たことと、ダニエル・キイスの”アルジャーノンに花束を“を読んだことがあるくらい。
つまりなにも知らなかったわけです。
初回の記事(この記事)では、研修を開始してからわかったマイクロマウスの面白さ、勘違いしていた点などをテーマに話していけたらと思います。
マイクロマウス競技とは
マイクロマウス競技について筆舌を尽くした所で、そろそろ本記事のメインテーマに移ります。
マイクロマウス競技って面白いの?
見出しにはこう書きましたが、経路探索なんて研究しつくされて成熟しきってるし、つまらないでしょ、が最初の印象でした。
我ながらよく知りもしないものを杓子定規にあてて、気に食わんやつです。友達じゃなくてよかった。
好感度を下げたところで、面白くなさそう!と思った点を矢継ぎ早に列挙していこうと思います。
- 長さやマス目が規格化された迷路探索であり、最適な探索プログラムが既にあるだろう。
- 最速走行にイノベーションの余地はなさそう。
- 電装品やプログラムはみんな似たり寄ったりだろうし、あとは地道にハードウェア軽くするくらいだろう。
- モータ制御のプログラムも直線と旋回だけで難しい制御はいらないだろう。
などなど、
想像力が欠乏してますね。ヘモグロビンが足りてないのかもしれません。
結論:「マイクロマウス競技はつまらない」は間違い
まず前提知識の勘違いですが、“迷路を探索しつつ最速ゴールを目指す(行き止まりになったらすぐ戻って違うルートへ)”が競技目標だと思っていました。
実際はゴールまでの経路を探す「探索走行」と「最短走行」をすることがセオリーだと知りました。複数回(通常の大会では5回)走行できて、走行プログラムも複数用意できるためです。
・長さやマス目が規格化された迷路探索であり、最適な探索プログラムが既にあるだろう。
この考えは一部では正しいです。全探索すれば最短を求めることは容易です。しかし、競技には時間的制約があるため、全経路を走破することは現実的ではなさそうです(2023年6月現在では)。
そのため、マイクロマウス競技で広く用いられている探索アルゴリズム”足立法”では、探索しない場所を意図的に選択しています。こうなってくるとアルゴリズムを組む難易度は一気に上がります。
また、マイクロマウス競技において最短経路と最速経路が一致しない場合があります。
・最速走行にイノベーションの余地はなさそう。
そんな風に考えていた私はこの動画を見て総毛立ちます。
動画10:00~11:30あたり
2017年の大会で優勝したマウスは最短経路より長い経路を走行していました。最短経路ではなく、直線の多い最速の経路を選んで走ったそうです。(黄色の経路が優勝マウスのたどった経路)
これがつい6年前の出来事ですので、小島の想像は塵あくたとなるのです。
・電装品やプログラムはみんな似たり寄ったりだろうし、あとは地道にハードウェア軽くするくらいだろう。
こちらも同じ理由から、そんなことはないなと気づきます。みんなが使っているものが最適とは限らず、創意工夫の余地は多分に残っていました。
・モータ制御のプログラムも直線と旋回だけで難しい制御はいらないだろう。
以上、倒けつまろびつ、たまに臍を噛みつつな小島のマイクロマウス研修ブログをよろしくお願いします。