ショウのマイクロマウス研修

ショウのマイクロマウス制作-Part16

ショウのマイクロマウス研修
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こんにちはショウです。
前回大会報告を書きましたが、今回はその前に戻って部品選定をしていきます。

今回の研修では実際に製品を作ることを想定して、RoHS対応やディスコンを考慮して部品選定を行っています。基本的にdigikeyなどで表示があるので確認しながら選定をしました。

まずPart2の時にマウスを走行させるために必要な機能をまとめました。

もう一度確認してみると

  • CPU(マイコン)
  • モータ制御系 (モータドライバ)
  • 移動距離センサ (エンコーダ)
  • 角度センサ (IMU)
  • 壁センサ (LEDとフォトトランジスタなど)
  • PCとの通信系 (マイコンに用意されているUARTなど)
  • UI系 (LED、ブザー、スイッチなど)

と書いていました。この分類に沿って実際に必要となる部品を確認していきます。
マイクロマウスの全日本大会では出場機体のテクニカルデータが公開されています。公開されているデータから上位陣がどんな部品を使っているのかを参考にすることができます。

CPU(マイコン)

マイコンの選定基準はPart2でSTM32G474を選定した時に書いています。動作周波数やパッケージ、必要な機能の数が足りていることなどで選定しました。これに加えてRAMやROMのサイズも確認しておく必要があります。マウスの迷路情報はデータサイズが大きいので、RAMやROMのサイズが大きいとログの保存やプログラムの自由度が上がります。
他にもマイコンを動かす為にはクロックを生成するために発振子が必要になります。先程の選定理由の一つに動作周波数がありますが、これはマイコンに入力する発振子のクロックを元に設定します。発振子がマイコンに内蔵されている場合は外部に発振子をつける必要はありません。しかし、マイコンに内蔵されている発振子はそれほど精度が高くないので、正確なクロックが欲しい場合には外部に精度のいい発振子を追加します。今回は基板の実装スペースが足らないので内蔵発振子を使うことにしました。ただし、使用する機能によっては発振子を外部につけていないと動作しない場合があるので注意が必要です。

モータ制御系

マイクロマウス競技ではドローン用のモータがよく使われます。今回はマイクロマウスでよく使われるMk06-4.5を使います。モータドライバに関してもよく使われているDRV8836を選定しました。DRV8836は1つのICで2つのモータを制御できるので実装スペースを減らせてマイクロマウスではありがたいモータドライバです。

移動距離センサ(エンコーダ)

マイクロマウスでよく使われるエンコーダには光学式と磁気式の2種類があります。マイクロマウス競技では省スペースにすることができる磁気式がよく使われます。今回はMA702を使用します。MA702はSPIとABZ相でデータを転送できるエンコーダです。今回はSPIを使用する予定ですが、ICによってマイコン側の使用するピンと機能が変わるので使用可能かどうかを確認してから選定しています。

角度センサ(IMU)

角度センサにはIMU(慣性計測装置)を使用します。IMUは角速度や加速度を取得することができるので、機体姿勢を計測するために使用します。マイクロマウスではMPU6500がよく使われるのですが、ディスコンになってしまっているので、ICM42688-Pを選定しました。IMUの選定ではエンコーダと同じようにどの通信方法を使うのか確認してから選定をしています。今回はエンコーダと同じようにSPIを使用します。

壁センサ

壁センサには赤外線LEDとフォトトランジスタを使って壁の反射で壁の有無や、壁までの距離を取得します。マイクロマウスでよく使われる赤外線LEDはOSI5FU3A11C、フォトトランジスタにはLTR-4206Eを今回選定しました。

LEDとフォトトランジスタには発光と受光の波長のピークが存在するので波長が一致するセットを選定する必要があります。

また、LEDには半値角というものがあります。LEDは素子の正面が一番輝度が高く、角度が付くと輝度が下がっていきます。半値角は輝度が半分になる角度のことをいい、マイクロマウスでは半値角が狭いほど正面の壁情報だけを取得できるので正確に壁や距離を取得できます。

PCとの通信

PCとの通信はマイコンにコードの書き込みとprintfなどを使ってデバッグをするための通信に使います。

UART書き込みとST-Linkを接続しての書き込みをできるように用意しています。
通信機能はマイコンの機能で行うので通信用に新たな部品は使いません。

UI系

モード選択や走行時のデバッグ時に動作状態を確認するためにLEDとスイッチをつけます。
ブザーをつける人もいますが、私は音を聞き逃したりしそうなのでブザーはつけないことにしました。

スイッチは2つ、LEDは電源の投入チェックも含めて7つ載せることにしました。

電源系

またPart2では書いていなかった項目として電源系が必要になります。
マイクロマウスではリチウムポリマーバッテリーをよく使います。リチウムポリマーバッテリーは1セルで最大4.2Vの電圧が出力されます。マイコンなどの動作電圧は3.3Vなのでレギュレータを使って3.3Vを作る必要があります。選定には出力電流も考える必要があります。マイクロマウスでは壁センサのLEDや、マイコンなどの消費電流を考えて選定します。出力電流が足りないと壁センサのLEDの輝度が低くなって壁が認識しにくくなります。今回は500mA出力できれば十分と考え、MIC5219-3.3YML-TRというレギュレータを選定しました。

 

メインで使う部品はこのように決ました。
次回からは回路を引いていきます。

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