こんにちは。koraです。
前回の投稿で回路図を作りましたので、今回はPcbnewを使って基板のレイアウトを作成します。
Raspberry Pi用の基板レイアウト設計
前回Raspberry Pi 40-pin Expansion Boardのテンプレートを使用して回路図を作成した際に、基板レイアウトも作られています。ここに電子部品と銅箔パターンを追加していきます。
基板製造の仕様
基板製造メーカーの仕様に合わせてデザインルールを設定します。基板製造を依頼できるメーカーは、P版ドットコムやElecrowなどがありますが、今回はSeeed Fusion PCBという基板製造サービスを利用します。
FusionPCBで製造できる基板の仕様は、基板製造の仕様に載っています。レイヤによって若干仕様は異なりますが、今回は表裏の2層基板を作るのでその値を設計に反映します。
仕様上、銅箔のパターン幅は4 mil (約0.1 mm) まで細くできますが、発注ページを見てみると6 mil (約0.15 mm) にしておいたほうが製造費が安くなるようです。
また、大きい電流を流すパターンには十分な幅が必要です。一般的な目安として、プリント基板では銅箔の厚さが1oz (35μm)の場合、パターン幅1mmで電流1Aまでと言われています (詳細についてはこちらが参考になります)。Raspberry Pi 4は3 Aの電源が推奨されているので、表裏両面にそれぞれ1.5 mmとして、合計3 A流せるようにします。サーボモータに流れる電流は一定ではないので厳密に何mmとは言えませんが、可能な限り太く表面と裏面の両方にパターンを引くことにします。
この研修ではKiCad 5.1を使用しています。マイクロマウス研修で使用していたKiCad 5.0ではDesign Rules Editorからパターン幅などの値を変更していましたが、KiCad 5.1ではBoard Setupから変更するようになっています。
デザインルール等の設定
Board Setupアイコンを押して画面を表示し、Design Rulesタブで全体のデザインルールを設定します。
次に、Net Classesタブでネットクラスごとの値を設定します。通常の信号線のパターン幅は0.2 mm、電源系のパターン幅は1.5 mmとします。
基本的に配線はネットクラスで設定したパターン幅がデフォルトで適用されますが、特殊サイズを設定すればデフォルト値以外のパターン幅で配線することもできます。Tracks & Viasタブを開いてWidth欄に追加すれば、配線編集時に画面左上のドロップダウンメニューから選択できるようになります。ここでは、1.5 mmより大きい2.8 mmのパターン幅を設定して、大きな電流が流れると予想されるバッテリーからサーボのパターンに使用します。
上記の設定をもとに、電子部品と銅箔パターンを追加したものがこちらです。
次回
次回は、基板製造を発注するためのデータを生成したいと思います。