二足歩行ロボットキット研修(shota編)二足歩行ロボット研修

二足歩行ロボットの脚に平行リンクが使われる理由を調べた【二足歩行ロボットキット研修(shota編)5】

二足歩行ロボットキット研修(shota編)
左MAX-E1、右CRANE+V2

こんにちは。二足歩行ロボット研修中のshota(@マウス@ヒューマノイド)です。

前回は、MAX-E1という二足歩行ロボットキットを組み立てました。
組み立てる途中で「平行リンク」というワードが何回も出たので、
二足歩行ロボット(MAX-E1のような小さい人型ロボット)と平行リンクの関係について調べます。

前回の記事はこちら

平行リンクとは

実用メカニズム事典 | 岩本太郎(著) 森北出版の第3章を抜粋します。

  • 平行リンクは「平行を維持する」ために使われる機構で、簡易な構造になっているのが利点。
  • 平行リンクは対角が等しいので角度を遠隔駆動でき、産業用ロボット等に用いられる。

とのことです。文字だけだとわかりにくいので、YouTubeで参考になりそうな動画を検索しました。

まず、「平行を維持する」というのはこの動画を見れば分かります。

続いて「角度を遠隔駆動できる」ということですが、書籍ではロボットアームが例に挙がっていました。
YouTubeでも同じようなロボットアーム動画が見つかりました。

このロボットアームの面白いところは、手先が地面に対して平行になっているところと、手先の位置を変えるモータが土台にあることです。

土台のモータを回して根元のリンク角度を変えると、その角度がひじ・手先に伝搬するので遠隔駆動できます。
土台にモータがあるのでアームの重量が軽くなり、手先を動かすための負担が減ることが平行リンクを使った良い点ですね。
ケーブルの配線も簡単になりそうです。

メーカの製品ページでも平行リンクについて解説がありました。
勉強になります。

二足歩行ロボットの脚に平行リンクを使う理由

二足歩行ロボットと言ってもいろいろな種類があるので、今回はMAX-E1と同じようなロボットに焦点を当てます。

参考にした書籍はROBO-ONEにチャレンジ! 二足歩行ロボット自作ガイド | 一般社団法人二足歩行ロボット協会 編 オーム社です。

書籍の8-2-2項より、

ロボットは平行リンクで脚を作成した。平行リンクだと、トルクの少ないサーボでもバランスよく体重を支えられ機敏に上体を上下でき、ジャンプ等もしやすい。

また、11-2-2項では、「通常の軸配置だと膝サーボの速度が足りなくなる」という題で、
一般的なピッチ軸構成ひざダブルサーボ構成平行リンク構成の3種類のリンク構成を説明しています。

一般的なピッチ軸構成とはこのようなものです。

一般的なピッチ軸構成の脚(写真はCRANE+ V2)

一般的なピッチ軸構成では、屈伸運動のように脚を伸縮させた時、ひざのサーボが、ももの付け根サーボや足首サーボの2倍の速度で動作しなければなりません。
そのため、高速で脚を動かすと、ひざのサーボが無負荷回転数に達してしまい速度が不足します。

ひざダブルサーボ構成は、ひざのサーボを2個にすることで、2倍の速度での動作を不要にしたものです。
動作速度の問題は解決するものの、位置決め誤差や重量が倍になるというデメリットもあるようです。

平行リンク構成の脚はまさにMAX-E1で使われているものです。

左MAX-E1、右CRANE+ V2

平行リンク構成の脚は、そもそもひざにサーボモータが不要なことと、足首が常に地面と水平になるというメリットがあります。

デメリットは足首のピッチ自由度がないことです。例えば、MAX-E1ではつま先を上げてかかとを下げる、というような動きはできません。

まとめ・感想

  • リンク機構、奥が深い。
  • MAX-E1は平行リンク脚を使っているので、そのメリットを十分に活かすべきですかね?高速で脚を屈伸させる、、、つまりジャンプ
  • 平行リンク脚は二足歩行ロボット初心者向けなんですね。良かった。

次回はMAX-E1をR+ Task 3.0アプリで動かします。

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