ししかわです。
社員研修の一環で二足歩行ロボットを作って競技会に参加します。
前回は二足歩行ロボットの競技会「HAC」の紹介でした。
今回から競技に参加するロボットを作っていきます。私は完全自作の前に、市販のロボットキットを組み立てて仕組みや制御方法を学びます。
ROBOTIS ENGINEER KIT1
「ROBOTIS ENGINEER KIT1」はROBOTIS社が提供するロボットキットです。ROBOTISはDynamixelなどのサーボモータで有名ですね。
1つのキットで「タブレットを顔として使うコミュニケーションロボット」「クモ型多脚ロボット」そして「人型二足歩行ロボット」の3種類のロボットが作れます。この研修では二足歩行ロボットを組み立てていきます。
ですが、すでにshotaさんがキットの内容や組み立て方法について詳しく説明してくださっています(とても参考になりました!)。本記事で同じ内容を書いても芸が無いので、レビュー記事風にキットの組み立てやすさ等を評価してみます。
このROBOTIS ENGINEER KIT1ですが、一言でいうとめちゃくちゃ組み立てやすいです。部品の構成からマニュアルの書き方、ネジ1本の締め方に至るまでよく考えられていると感じました。また、初めて動かすまでの体験が入念に作り込まれている印象を受けました。
アールティのWebショップで買えるので、興味が湧いた方はぜひ購入して私と一緒にHACに出場しましょう!
ROBOTIS ENGINEER KIT1のここがすごい
組み立てやすい
2軸のサーボモータを使ったシンプルな構成
ROBOTIS ENGINEER KIT1では2XL430-W250-Tというサーボモータが使われています。これは2つのサーボモータが、90度に向きを変えて軸配置がオフセットした状態で一つのユニットとなったモータです。

2XL430-W250-Tは2軸のサーボモータ
2本の軸が一体になっているため、ヒューマノイドの肩や股関節の構造がシンプルになります。
各サーボモータにはID付きのラベルが振ってあるので、どのサーボをどこに接続すればよいかもすぐにわかります。
フレームがサクサク組み上がる
キットにはドライバーなど必要な工具が付属しているため、すぐに組み立て始められます。
ねじの1本、ナット1個に至るまで非常に組み立てやすいです。たとえばどんなネジでもネジ締めのためのドライバーを垂直に当てて締められるようになっています。
マニュアルもわかりやすい
キット自体が組み立てやすいですがマニュアルもわかりやすいです。マニュアルは全ページがカラーのイラストです。レゴブロックの取説のように、組み立てながらどんどん読み進められます。各ページには必要な部品のリストと、サーボの向きなどの注意点がわかりやすく表示されているので、部品や取り付け位置の間違いも防げます。
部品点数自体は決して少なくない(ネジが100本以上ある)ですが、合計4.5時間ほどで組み立てることができました。
組み立ててすぐに動かせる
ロボットを組み立てたらスマホアプリからすぐに動かせます。
- ROBOTIS ENGINEER KITのスマートフォンアプリをインストールする
- ロボットの電源を付ける
- アプリを起動する
- アプリ内でロボットとBluetooth接続する
- MAX-E1用の操作画面にアクセスする
操作画面から前進、後退、旋回などの歩行制御や、あらかじめ用意されたモーションを再生できます。自作でもキットでも、初めてロボットが動く様子は見ててグッときますね!
所感
- 組み立てやすさがよく考慮されていました。自分で1点もののロボットを作る時はネジの締め方まで想像が及びませんが、量産の際には(自分が組み立てるにせよ、人に組み立ててもらうにせよ)必須の観点ですね。
- マニュアルの書き方も参考になりました。イラストのほうが文章より伝わります。
- スマホアプリが必要十分な機能を備えていてスムーズに動かせました。「組み立てて動かすまでの体験」で迷うところがない点がすばらしいです。
以上です。
キットはRT ROBOT SHOPから購入できます。本ブログを見て興味が湧いた方は、私と一緒にロボットの勉強をしながら、ぜひHACに出場しましょう!。
次回はロボットのシステム構成について考えます。
→次の記事
