こんにちは。Yoです。
今回で2024年度CRANE-X7開発研修は最終回になります。
はじめに
前回の予告通りCRANE-X7(以下、X7と表記)と置き場所シートの位置合わせの
手間を減らせる治具を製作していきます。
治具がない状態でのX7と置き場所シートの位置関係はこんな感じです。
治具製作
はじめに、必要な寸法を計測しA4用紙で治具の試作品を製作しました。
A4用紙で製作した理由は簡単に何回か作り直しできるようにするためです。
紙製治具で必要な寸法と大まかな形が分かったところでプロトタイプ製作に移ります。
プロトタイプ製作
プロトタイプ版としてプラスチック段ボールで治具を製作しました。
治具の凸部分を置き場所シートの凹部分に挿し込みX7の台座と治具の右端を揃えます。
しかしこの治具は位置合わせ時に置き場所シートの凹部分を利用しているためズレが
生じやすく正確な位置に合わせられているとは言えませんでした。
CADデータ作成
ある程度の正確さを出すためにCADでパーツを製作していきます。
これではサイズが大きく邪魔になる上3Dプリンタで印刷できないため、組み立て式に
しようと思います。
分割したことで仕舞う際に場所を取って邪魔になるということがなくなりました。
使用方法
製作した治具を実際に使ってみます。
分割されている2つの部品を嵌め合わせてX7の台座と置き場所シートの角に合わせます。
置き場所シートの位置を調整して養生テープで固定したら完了です。
使ってみた感想として「いちいち置き場所を測る必要がなくなったから楽になった」
「セッティングに時間がかからなくなった」という声をいただきました。
追加作業
続いて、前々回に製作したRealSenseを取り付けるための部品を改良する
必要が出てきました。
改良する箇所は大きく分けて2点あります。
1点目は部品サイズの変更です。X7に取り付けるエンドエフェクタを改良したこと
でこちらの部品が他の部品と接触するようになってしまったので、RealSenseの
取付位置は変更せず大きさだけ小さくします。
2点目はこの部品の安全性確保です。改良前の形状では四つ角が直角になっているため、
人に当たってしまった場合怪我をする恐れがあったからです。
CADデータ作成
まずは1点目の問題を解決するため部品のRealSense取付部の縦幅を小さくしました。
これだけではまだ接触してしまうのでRealSense取付部を3.5mmほど前に出します。
前に出したことにより部品の強度が落ちてしまったため、接地面を増やして強度を上げます。
そして、2点目の問題を解決するために四つ角にフィレットをかけます。
これで改良できたので印刷と換装をしていきましょう。
改良版の換装
改良した部品を換装しました。
改良前は赤い枠で囲っている箇所が接触してしまっていましたが、これによりX7がどんな姿勢を
してもRealSense取付部が接触しなくなった上、鋭利だった角がなくなったので触れても怪我を
するリスクが大幅に減りました。
まとめ
このチーム開発研修ではハードウェアを担当してきましたが、0から設計してモノを作り出す
ことが如何に大変なのかよくわかりました。実際にモノが完成した時に思い描いてたものと
違うことも多々ありました。最終的にはソフトウェア担当の要望に応じれたようでよかった
です。