はじめに
こんにちは。2024年度新入社員の中原です。今回は2024年度CRANE-X7開発研修の進捗についての記事となります。CRANE-X7開発研修の詳細についてはこちらの山本さんの記事を見てください!!

私はメカが得意なので今回の研修ではメカを担当します。研修の課題を達成するためにはハンドを新しく作る必要があるので、研修用ハンドの製作を行っていきます。
ハンドの設計
設計要件
今回のハンドに必要となる要件は以下が挙げられます。
- 課題に用いる箱を上から把持できるサイズ
- 壊れにくい
- 組み立てやすい、組み立ての説明がしやすい
- 重量を軽くする
仕様策定
先ほどの設計要件を満たすための仕様を決めます。まず、既存のハンドの形状を流用することで、組み立て時に既にあるマニュアルを流用でき、組み立てやすく、説明もしやすくなります。また、設計も寸法を流用できる点が多く時間削減になります。
課題に用いる箱を上から把持できるサイズで、壊れにくくかつ重量を軽くするために、既存のハンドの形状から変更を行いました。モータボックスはそのままサイズを大きくしたような形状にし、掴む部分はこれらの条件に対して最も適していると思われる形状を考えました。条件としては
- モータボックス部をできるだけ小さくできる
- ハンド全体の大きさが小さい
- たわみが少ない
- 地面に衝突した際に破損しにくい
以下の図の4つの形状を考え比較しました。形状を考えるときはまず紙で書きながら考えて、その後にFusionのスケッチで寸法や拘束条件を定義して実際の動きを見て考えました。
①はモータボックス部を小さくできますが、ほぼ直角になる部分に力が集中し破損しやすく、たわみが大きくなってしまいます。
②と③は①よりは破損しにくいですが、モータボックス部が大きくなってしまいます。
④はハンド全体の大きさは少し大きくなってしまいますが、破損しにくくモータボックス部も小さくできると考えました。
今回は④のような円弧状のハンドを採用しました。また、製作方法としては重量と今後の改良のことを考えて、3Dプリンタでの印刷で行うことにしました。
CADでモデリング
Autodesk Fusionを用いてモデリングを行いました。既存のCRANEーX7ハンドを大きくしたような構造で、手先の形状は変更しています。
モデリング時に困ったこととしては歯車の作成です。はじめはこちらのページで歯車のDXFを生成して、Fusionにインポートしようとしていましたが、インポートに失敗し上手くいきませんでした。そのためFusionに内蔵されているスクリプトで生成することにしました。生成の仕方はこちらの記事を参考にしました。
モデリングをする上で気を付けたのは、取り外しにくいサポート材ができないようにすることです。例えば図の赤丸部分はサポート材ができてしまうとかなり取りにくくなってしまいます。そのため傾斜をサポート材ができない角度にしておくことで対策しました。私は結構こういったことをし忘れて、物ができてからやらかした~っとなりがちなので今後も注意していきたいです。
まとめ
今回はCRANE-X7開発研修用ハンドの設計についてでした。次は実際に3Dプリンタで印刷して組み立てていきます。今後の記事でもCRANE-X7開発研修のメカ周りについてまとめていくのでよろしくお願いします。
CRANE-X7開発研修の連載はこちらです!

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