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人型協働ロボットFoodlyで弁当、レトルト惣菜の製造販売へ

~惣菜業界初!惣菜盛り付け・加工工程へのロボット導入から現場運用に成功 ロボットフレンドリーな食品工場づくりのスタートラインへ~

アールティは2021年10月より一般社団法人日本惣菜協会(会長:平井浩一郎、以下日本惣菜協会)が主導する経済産業省の「令和3年度 革新的ロボット研究開発等基盤構築事業※」(以下、本事業)に参画し、惣菜企業3社へ人型協働ロボットFoodly(読み:フードリー)を導入し、ロボットフレンドリーな食品工場の運用を検討してまいりました。
この度2022年3月より弁当、レトルト惣菜におけるFoodlyの実生産ラインでの稼働を開始しました。

プレスリリースを見る(PDF)

つくね具材の容器投入(イチビキ)

から揚げ、ちくわサラダの盛り付け(ヒライ)

から揚げ、ヤンニョムチキンの盛り付け(藤本食品)

※ 令和3年度 革新的ロボット研究開発等基盤構築事業(ロボットフレンドリーな環境構築支援事業)
ロボット・AI導入を促進する環境(ロボットフレンドリーな環境)の構築を実現するための研究開発事業として、経産省が推奨しているプロジェクトです。
食品製造分野では日本惣菜協会が中心となり、それぞれの課題についてチームアップした15社の参画企業と共に研究開発に取り組みました。
アールティは主に既存ロボットの試験導入によるロボットフレンドリーな環境、運用方法の検討を担当しました。
各社の取り組み詳細についてはプレスリリース(PDF)の別
紙資料、もしくはページ下部をご参照ください。
参照:2021/9/30発表 日本惣菜協会リリース

弁当の製造

株式会社ヒライ(熊本県熊本市、代表取締役社長 平井浩一郎、以下ヒライ)、藤本食品株式会社(和歌山県岩出市、代表取締役社長 藤本典子、以下藤本食品)では、ヒライ熊本工場と藤本食品岐阜工場の盛り付けラインにFoodlyを2台ずつ試験導入しました。
弁当や惣菜パックの盛り付け作業をFoodlyが行い、盛り付け作業をしやすくするための容器、食材の調理方法、オペレーション、番重をはじめとする工場内の機材配置など、多岐にわたってテストを繰り返しました。
製造現場の作業員がFoodlyの動きを間近に体験することで、ユーザー側が「ロボットと一緒に働く」目線を新たに獲得し、導線の見直しや、メニュー開発などの商品企画の面でもロボットフレンドリーを前提としたノウハウを得ることができました。例えばヒライでは熊本名物のおかず「ちくわサラダ」について、従来の形状からFoodlyが掴みやすいように変更し、それに伴って調理方法も一部変更しました。
そのようなロボットのための工夫を施した弁当を「ロボフレ弁当」と名づけ、来年度以降ヒライ実店舗での販売を予定しています。

試作した弁当(ヒライ)

ロボフレ弁当のイメージ(ヒライ)

試作した惣菜パック(藤本食品)

レトルト惣菜の製造

イチビキ株式会社(愛知県名古屋市、代表取締役社長 中村光一郎、以下イチビキ)では、イチビキ第2工場で製造するレトルト惣菜「赤から具だくさんのつくねと白菜のスープ」の加工ラインにFoodly2台を試験導入しました。
Foodlyの惣菜加工工程への導入はイチビキが初の事例になります。
つくね具材を掴み、缶投入機によって流れる筒状のカップに投入する作業を行いました。
Foodly導入にあたってはメニューや具材の選定から始め、番重のサイズの変更や、後工程の機械の動作速度の調整など様々なテストを重ねました。
専用トングの開発や、従来より深さのある容器を認識できるようプログラムするなど、Foodlyのカスタマイズも都度実施しました。
2022年3月には実際に出荷する製品の加工ラインにも携わるようになり、約3000食を出荷しました。
今後は人手不足の解消、生産性の向上、安定した商品供給の実現などロボット導入によるさらなる効果が出せるよう取り組んでまいります。

赤から具だくさんのつくねと白菜のスープ(イチビキ)

惣菜加工工程でつくね具材を投入するFoodly(イチビキ)

つくね具材専用に開発したFoodlyのハンド(イチビキ)

各社との検討で得られた成果と課題

本事業の中で、アールティは既に食品工場への導入実績もあるFoodlyを使って、惣菜企業3社と共にロボットフレンドリーな環境、運用方法を検討するという切り口で参画してまいりました。
Foodlyは人ひとりで簡単に移動できるほどのコンパクトさや、足場、電源、照明などの工事が不要で既存環境への導入がしやすいというコンセプトで作られているため、各工場にスムーズに搬入することができ、現地でのテストや検討を早期に始められました。
結果、昨年10月からの短期間で、3社それぞれの多様なノウハウや、ロボット導入への課題を共有することができました。
集めたデータは今後の開発だけでなく、食品業界におけるロボット導入のひとつの指標として役立ててまいります。

生産ラインでの稼働において、Foodlyのピッキング精度はまだ100%に達していません。
今回の取り組みでは食材が投入できなかった容器を計量器で判定して外すなど、現場の運用でカバーするという工夫で本稼働に至り、ロボットフレンドリーな運用の考案が多く行えました。
今後はピッキング精度向上を目指すことはもちろん、人の作業においても100%の精度を保つことは難しいので、それらをカバーできる運用方法も含めて研究を続けてまいります。

また、まだ自動化が進んでいない現場では人があらゆる作業を担当することを前提に設備が配置されており、ロボットを導入するとなると様々な見直しの必要が生じます。
ロボットフレンドリーな環境構築に取り組むプロジェクトとして惣菜企業3社には設備の配置替えや人の動きのシミュレーションなど、様々な観点から時間をかけて取り組んでいただきましたが、ロボット導入を検討する食品工場の中ではそれらにハードルを高く感じるところも多く、将来的にすべての現場に導入したいとなると、とくに複数の工場を持つ企業であるほど設備の入れ替えや人材教育などのコストも高くなります。
苦渋な作業の代替や生産性の向上、人手不足対策のために自動化を進めたいが、現場レベルではなかなか動き出せないというジレンマが、導入を検討する側の課題となっています。

Foodlyは人間の盛り付け作業の代替だけでなく、今までに海苔巻きロボットと連携したセル生産や組合せはかりと連携した自動計量システムなど、人が使っている既存の設備との組み合わせも実現しています。
食品工場が将来の全自動化を目指していくまでの過渡期において、既存設備を使って省人化を進める際に、Foodlyのようなコンセプトのロボットに活躍の場があると感じています。
アールティは今後もFoodlyを始め、ロボットとAIのソリューションで既存施設を活かした省人化に取り組んでまいります。

今後の展望

ロボットフレンドリーな食品工場をつくるためには、現場のことをよく知った上でロボットやシステムを開発するだけでなく、現場側もロボットを知り受け入れる意識を持つなど、お互いに歩み寄ることが必要だと考えています。
アールティは本事業を通じて惣菜企業3社との検討の機会を得られたことで、ロボットフレンドリーな食品工場づくりのスタートラインに立つことができました。
まだこれから多くの検討が必要であり、アールティは本事業の成果を一つの指標として今後もロボットフレンドリーな環境、運用方法を追求してまいります。
また食品業界全体が取り組んでいけるよう、ロボットフレンドリーという概念の普及に力を入れてまいります。

令和3年度 革新的ロボット研究開発等基盤構築事業 プロジェクト参画企業

<代表>
一般社団法人 日本惣菜協会

<参画企業>
㈱アールティ
イチビキ㈱
㈱エクサウィザーズ
㈱FAプロダクツ(Team Cross FA)
㈱オフィスエフエイ・コム(Team Cross FA)
㈱グルーヴノーツ
㈱グルメデリカ
コネクテッドロボティクス㈱
㈱デリカスイト
㈱ニッセーデリカ
日本サポートシステム㈱(Team Cross FA)
㈱ヒライ
㈱ファミリーマート
藤本食品㈱
マックスバリュ東海㈱

関係リリース(2022年3月29日発表)

経済産業省 リリース
日本惣菜協会 リリース
イチビキ㈱ リリース
㈱FAプロダクツ リリース
㈱オフィスエフエイ・コム リリース
㈱グルーヴノーツ リリース
コネクテッドロボティクス㈱ リリース
日本サポートシステム㈱ リリース
Team Cross FA リリース

 

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